夢幻水滸伝
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第百九十四話 精霊使いの働きその十三
「それが戦の主になるでしょう」
「軍勢同士よりもですね」
「そちらの勝負になりますか」
「星の方同士の一騎打ちですか」
「そうなりますか」
「僕はそう考えています」
アミンは淡々として言った、そうしてだった。
窓を見た、今はスコールだった。降り注ぐそれを見てそのうえで周りの者達に対していうのだった。
「また雨ですね」
「はい、いつものことですね」
「スコールについては」
「左様ですね」
「そうですね、雨が降らないと」
さもなければというのだ。
「多くのものが得られません、ですが降っている時に遭うと」
「その雨にですね」
「それは嫌なものですね」
「どうしても」
「はい、ですが」
それでもというのだ。
「雨は誰にも必要です」
「水がなければ」
「誰も生きられません」
「産業も成り立ちません」
「そうです、そして私達の衝突も」
星の者同士のそれもというのだ。
「この世界では雨の様にです」
「必要なものですか」
「世界を救う為に」
「そうしたものですか」
「そうかも知れません、そうして理解し合い」
星の者達がというのだ。
「協力していく様になる」
「そうなるからですか」
「必要である」
「そう言われますか」
「はい、ではです」
アミンはスコールを見つつあらためて言った。
「戦の用意も」
「わかりました」
「ではそちらも進めていきましょう」
「内政と共に」
周りの者達も応えた、そうしてだった。
アミンはスコールから目を戻し政の書類を見た。スコールは暫くして止まった。
第百九十四話 完
2021・1・15
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