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夢幻水滸伝

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第百九十四話 精霊使いの働きその三

「これはな」
「そうした方です」
「それでどうしますか?」
「この方は」
「採用しますか?」
「採用以前の問題だろ」 
 それこそとだ、団長は自分の団員達に答えた。
「もうすぐにな」
「すぐにっていいますと」
「スルタンにお話してな」
 そしてというのだ。
「決めてもらうぞ」
「俺達の雇い主にですか」
「そうしてもらいますか」
「そうするぞ」
 こう言うのだった。
「いいな」
「わかりました」
「じゃあそうしましょう」
「ここは」
「俺達がどうこう出来るわじゃないですしね」
「ああ、そうするぞ。あの」
 団長は団員達と話した後でアミンに顔を向けてそうして彼に話した。
「ちょっと来てくれますか」
「スルタンのところにですか」
「はい、お話聞いてましたか」
「一部始終」
「それなら話が早いです」
 団長はアミンにそれならと返した。
「それじゃあです」
「スルタンのところにですね」
「これから案内しますんで」
 こう言うのだった。
「いいでしょうか」
「宜しくお願いします」
「いや、そうしてくれるならお話が早いです」
 実にというのだ。
「そうなら」
「これからですね」
「案内します」
「宜しくお願いします」
 アミンも応えてだった。
 彼は団長にスルタンの屋敷に案内された、スルタンはワーウルフの二十代の女だったがその話を聞いてだった。
 アミン自身からも話を聞くとこう言った。
「まさか星の方がです」
「来るとですか」
「思いもしませんでした」
 こうアミン自身に言った。
「まことに、ですが」
「それでもですか」
「何かしてくれるなら」
「それならですか」
「是非です」
 スルタンは自分から申し出た。
「協力させて下さい」
「この世界を救うことに対して」
「はい」
 まさにという返事だった。
「そうさせて下さい」
「そう言われましても」
 どうかとだ、アミンはスルタンに難しい顔で答えた。
「僕もまだ」
「これからどうすべきか」
「わかりかねています」
「そうなのですか」
「この世界を救うことがすべきことであることはわかりましたが」
 それでもというのだ。
「具体的にです」
「何をどうされるか」
「そのことが。ただ平和はですね」
「もたらされたいですか」
「そう考えています」
 こうスルタンに答えた。
「それ位ですが」
「そうですか」
「さて、どうすべきか」
「ならですよ」
 アミンをスルタンのところに案内した傭兵団の団長が言ってきた。 
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