八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる
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第三百十話 帰ってからはその十一
「なかったと思うよ」
「そういえばあの人もムスリムね」
香織さんも言ってきた。
「だったらね」
「全ての人はアッラーの前では小さいよ」
僕も香織さんに話した。
「あまりにも偉大な神様の前ではね」
「どんな人でもね」
「そうした教えでね」
かつては王侯も物乞いも同じムスリムと言っていたらしい、だからイスラム世界ではムスリムは奴隷にはならなかった。例え奴隷でもイスラム教に改宗すれば奴隷でなくなるから当時としてはかなり人道的だ。
「だからあの人もね」
「フセイン大統領でも」
「そんなことはね」
到底だ。
「発想すらなかったと思うよ」
「差別を合法化する様な」
「あの人もクルド人だからって敵対階層にしていないよ」
そうした差別される階級に定めていない。
「クルド人も従うならね」
「何もしなかったのね」
「それどころか有能だったら」
そのクルド人でもだ。
「重用していたから」
「はっきりしていたのね」
「そうした人だったみたいだよ」
弾圧とか反対派は粛清とかは確かに非道だけれどだ。
「まだ遥かにね」
「北朝鮮よりましだったの」
「しかもあんなに餓えていないし」
イラクはだ。
「北朝鮮っていったら餓えだけれどね」
「もう代名詞になってるわね」
「世襲の独裁政治と合わせてね」
共産主義でだ。
「あと拉致にテロにね」
「それと核実験ね」
「そうしたものと一緒にね」
あの国の場合はだ。
「飢餓もね」
「代名詞よね」
「そんなとんでもない差別もだし」
「つくづく酷い国ね」
「サンタさんも寄れないんじゃないかな」
例えサンタさんが寄りたくてもだ。
「流石にね」
「あの国だけは」
「うん、あまりと言えばあまりだから」
「それは皆言うわね」
「子供でも知ってるよ」
あの国のことはだ。
「特撮の悪役みたいな国だって」
「そこまで酷いって」
「そうね」
「それが現実よね」
「うん、あの国の人は八条学園にもいないし」
世界中から人が集まる学園であの国の人だけいない、国籍があの国になっていて日本にいる人すらいない。
「国交がなくて八条グループもね」
「あの国とは関係ないのね」
「組合の人もね」
グループの中のだ。
「北朝鮮嫌いな人ばかりらしいし」
「組合の人もなの」
「労働組合ね、労働組合って北朝鮮寄りの人多いらしいんだ」
社会主義とか共産主義の関係でそうらしい。
「これがね」
「あの国となの」
「そんな組合が多いんだ」
日本ではだ。
「関係の深い政党と一緒にね」
「あの国とって」
「けれどグループの組合はね」
八条グループのそれぞれの企業の中にある組合である。
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