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八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる

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第三百十話 帰ってからはその十

「もうね」
「階級社会で」
「差別が合法化されているよ」
「そんな国もあるのね」
「うん、差別は確かにあるけれど」
 世界中にだ。
「それでもね」
「そこまで酷い国はないわね」
「うん、聞く限り今頃差別を合法化している国はね」
 階級化してだ。
「他にないよ」
「南アフリカは昔そうだったわね」
「アパルトヘイトだね」
「白人と黒人で」
「あれは恥だったよ」
 南アフリカという国にとってだ。
「それで南アフリカ嫌いな人多かったし」
「嫌って当然ね」
「日本人は名誉白人だったけれど」
 それで白人と同じ待遇だった。
「そんな風に扱われてもね」
「嬉しくないわね」
「馬鹿にされているよ」
 そんな気分だ。
「僕にとってはね」
「私もそう思うわ」
「そうだよね」
「何が名誉よ」
 起こった顔での言葉だった。
「不名誉よ」
「それどころかね」
「そんな呼び名はね」
「そうだよね」
「差別に加担しているみたいだし」
「当時の日本はそうした批判を受けていたよ」
 他に南アフリカと国交のあった国もだ、アジアの国でも多かった。
「国益を考えてね」
「あの国資源豊富なのよね」
「うん、それにアフリカ大陸の南で」
 喜望峰のところにあってだ。
「交通の要地だからね」
「そのことからもなのね」
「国交があったら国益になるから」
 それでだった、当時の日本は。
「国交があったんだ」
「国益ね」
「国益を考えたらよかったけれど」
「そうも言われていたのね」
「多少批判されても国益は手に入れる」
 僕はこの言葉を出した。
「そう言われるけれどね」
「それでもなのね」
「あまりね」
 どうにもだ。
「当時からも批判があったし」
「今もよね」
「あまりね」
 これといってだ。
「いいとは思えないよ」
「そうよね」
「どうもね」 
 実際にだ。
「嫌な気分だよ」
「本当にそうよね」
「今はないけれどね、それで今も差別を合法化している国は」
 そんな国はだ。
「北朝鮮位だよ」
「世界中にあっても」
「あのイラクのサダム=フセインでもね」
 悪名高き独裁者と言われている。
「自分に従うか敵かでね」
「差別していたの」
「いや、シーア派でもクルド人でも自分に従うならよかったから」
 この辺りフセインは明快だったと思う。
「あんな差別政策はね」
「採ってなかったのね」
「というか多分発想すらね」
 その時点でだ。 
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