| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる

しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

第三百十話 帰ってからはその八

「どう思うかな」
「そう考えるとね」
「もうね」
 それこそだ。
「何があってもね」
「すべきじゃないわね」
「そうだよ、というか人種が違うとかね」
 国でも民族でも宗教でも同じだ。
「人は絶対に違うんだから」
「人それぞれで」
「全部同じって人いないよ」
「そうよね」
「それで自分と違うって言ってね」
 考えることもここでは同じだ。
「差別することはね」
「間違いよね」
「そうだよ」
 このことは絶対だ。
「何があってもね」
「生まれで差別する人いるわね」
「そうだよね」
「民族とか人種で」
「そんなの違っても」
 それでもだ。
「人間だからね」
「そうよね」
「もっと言えば命があるんだよ」
 命がある、生きているとだ。
「もうね」
「基本同じよね」
「それがわかっていなくて」
 それでだ。
「差別するなんて滑稽だよ」
「皆それぞれ違っていて」
「同じだからね」
「命があることは同じね」
「そして個性はそれぞれだよ」
 立場も能力もだ。
「まして今は身分制度もないし」
「日本だとそうよね」
「そりゃ社会的地位や貧富の問題があるけれど」
 それでもだ。
「やっぱりね」
「人は同じね」
「基本はね、そしてそれでいて」
「違うものね」
「そうしたことがわからないで差別するとか」 
 本当にこう思う。
「馬鹿な話だよ」
「差別は事実を知ればかなりなくなるわね」
「その筈だよ、日本だと部落差別もあるけれど」
「北海道にはないわよ」
「ああ、それはね」
 どうしてかとだ、僕は香織さんに答えた。
「そうした社会じゃないからだよ」
「被差別部落がない」
「うん、関西では多いけれどね」 
 九州でもだという。
「昔そうした身分の人達が多かったから」
「穢多とか人とか」
「そう呼ばれる人が多かったんだ」
 奈良県が特に有名か、この県から水平社が生まれている。部落解放を謳った組織で今もその志は残っている。
「関西はね」
「そして九州は」
「それでね」
「被差別部落のお話が多いのね」
「けれど北海道はね」
 こちらはというと。
「明治から移住したよね」
「札幌とかはね」
「そうして開拓して出来ていったから」
 北海道の社会はだ。
「被差別部落はね」
「関係ないのね」
「うん、殆どね」
「そうなのね」
「けれどね」
 被差別部落の問題はなくてもだ。 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

全て感想を見る:感想一覧