八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる

「そうだったんだ」
「乗る人が多いと」
「やっぱりね」
　それだけだ。
「鉄道会社も儲かるよ」
「当然のことね」
「鉄道会社も商売だからね」
　企業であることは言うまでもない。
「だからね」
「人が多いと儲かるわね」
「八条鉄道だってね」
　グループの基幹企業の一つだ、明治維新から鉄道の発展と共に発展していき今ではかつての国鉄の様に全国に路線を持っている。
「人が多いとね」
「収益が増えて」
「いいんだよ」
「そうよね」
「だからね」
「ラッシュ時に人が多いと」
「ギュウギュウ詰めになってね」
　そうなってだ。
「利用者は大変だけれど」
「会社としてはいいことね」
「うん、それだけ乗ってくれているから」
　そうなるからだ。
「いいことだよ」
「そうなるわね」
「だからバスもね」
「人が多いなら」
「数も増えるし」
　バスのそれがだ。
「それでバス会社もね」
「儲かるわね」
「そうなるけれどね」
「最近はバスも減ってるのね」
「一時間に二本位とかね」　
　地方都市の住宅街だとだ。
「そんなのだよ」
「寂しいことね」
「駅前の商店街だってね」
　今度はこちらの話をした。
「ちょっとした場所でもね」
「人が少ないわね」
「もうね」
　それこそだ。
「ちょっとした駅でもね」
「商店街はなのね」
「寂れていっているよ」
「電車に乗る人が減ったから」
「そうなったからね」　
　それでだ。
「自然とね」
「寂れていっているわね」
　香織さんもこう言った。
「言われてみると」
「そうだよね」
「それで地方都市だと」
「さっきは奈良県のことを話したけれど」
「桜井市ね」
「この桜井市の駅前なんて」
　もうそれこそだ。
「お店が殆どなくなっているそうだよ」
「閉店して」
「シャッター街になっていて」
　そうしてだ。
「かなり寂しいよ、何十もあったお店が」
「全滅してるの」
「物凄いらしいよ」
　本当に商店街が全部閉まっていてだ。
「あの辺りだと」
「見たくない位ね」
「実際に見たら愕然とするらしいから」
　かつての商店街を知っている人がそうしたらだ。