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八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる

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第三百十話 帰ってからはその一

               第三百十話  帰ってからは
 僕達は二人で八条荘まで帰った、途中バスに乗ってそうして最寄りのバス停まで下りた、ここで香織さんはこんなことを言った。
「バスもいいけれど」
「どうしたのかな」
「ええ、長崎路面電車あったわね」
「ああ、あれだね」
「あれに乗れたらね」
「風情があったよね」
「そうよね」
 こう僕に言ってきた。
「いまふと思ったわ」
「路面電車はね」
「長崎にあってね」
「あの街の名物にもなってるね」
「あと松山にもあるわね」
「昔は大阪にもあったしね」
「そうだったの」 
 香織さんは僕に聞いてきた。
「大阪にもあったの」
「そうだたんだ」
「今もあったらよかったのに」
「けれど時代の流れでね」 
 車が増えてだ。
「なくなったんだ」
「そうなのね」
「他の街もそうでね」
「じゃあ残っている方が少ないのね」
「そうなんだ」
 僕としては残念なことにだ。
「風情があっていいのにね」
「そうよね」
「今もあったらね」
 大阪にもだ。
「よかったのにね」
「ええ、最近はバスも地方じゃ」
「走ってる数が少なくなってるよ」
「そうよね」
「人口五万位の街でもね」
 それでもだ。
「一時間二本とかね」
「少ないわね」
「そんな風になっているんだ」
 これがだ。
「それも住宅地でね」
「住宅地で一時間二本なの」
「物凄いよね」
「それは少ないわね」
「今はそうなっているんだ」
「それだけ利用する人が少ないのね」
「家に車があると」
 それならだ。
「皆それ使うからね」
「通勤とかお買いものに」
「そうなるからね」
「それでなのね」
「もう今はね」
 それこそだ。
「バスもね」
「減ってるのね」
「そうなんだ、それに電車も」
 こちらもだ。
「昔より利用者が減ったっていうよ」
「そうなの」
「もう昔なんか」
 四十年前とか三十年前だとだ、つまり昭和の頃だ。
「ラッシュ時なんか電車の中が人で一杯で」
「詰まってる状況ね」
「ギュウギュウのね」
 ドラえもんでもそんな話があった。
「大阪の環状線なんか特にね」
「ああ、あそこね」
「もうあそこはね」
 関西の中でもだ。
「一番凄かったらしいよ」
「今よりずっと人が多かったのね」
「それで鉄道会社も儲かっていたよ」
 かつてはだ。 
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