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八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる

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第三百九話 冬の花火その十一

「だから餓鬼にはね」
「生まれ変わりたくないわね」
「そう思うよ、けれど卑しい人はね」
 仏教の教えではだ。
「死んだら餓鬼に生まれ変わるんだ」
「虫より酷いのね」
「よく悪人は畜生に生まれ変わるっていうけれどね」 
 天理教でもこうした教えがある、教祖さんが神のやしろとなられる前に一服盛った人は牛に生まれ変わったという話がある。
「それよりもね」
「悪いわね」
「そうなるから」
 それでだ。
「日頃の行いはちゃんとしないとね」
「卑しくならない様にね」
「そうしないとね」
 それこそだ。
「餓鬼になるから」
「ちゃんとしておくことね」
「まして自分の卑しさに気付かないなら」
 それならだ。
「余計にね」
「救われないわね」
「そうだよ、しかしね」
「しかし?」
「いや、正義を言っていて」
 この言葉も迂闊に出すとみっともないと思う、義憤だのそうした言葉も同じだ。軽々しく使う言葉じゃない。
「その実明らかにおかしい人を支持どころかね」
「支持で済まなくて」
「賛美してるとか」
 そうしたことはだ。
「人としておかしいよ」
「そうした人いるわね」
「世の中おかしな人がいて」
 それでだ。
「おかしな人を賛美するよ」
「類は友を呼ぶね」
「花には蝶が寄って」
 そしてだ。
「汚物には蠅が集まるよ」
「悪い人には悪い人で」
「卑しい人には卑しい人だよ」
 そうした人達で集まる。
「例えば選挙で負けてね」
「選挙じゃ常よね」
「それが選挙だからね」 
 民主政治の基本だ。
「勝つ人がいればね」
「負ける人もいるわね」
「スポーツの試合もそうだよ、けれどね」
 それが常識だけれどだ。
「負けると不正だとか途中で選挙止めろとか言い出してね」
「居座る人もいるわね」
「不正って言っても証拠を出さなかったりね」
「そんな人いるわね」
「日本ではあまりいないかな」
 幸いにだ。
「けれど他国ではね」
「いるわね」
「香織さんも知ってるよね」
「ええ、そんな人実際にいてね」
「恥も外聞もなく言い立てるから」
 これを国家元首がするから世の中怖い。
「それもそうした人を賛美するから」
「どうして賛美するのかしら」
「まず常識がないんだと思うよ」 
 そんなことをする人を賛美するなんてだ。
「それで倫理観もね」
「ないのね」
「幾ら正義を言ってもね」
 例えそうでもだ。 
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