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八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる

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第三百九話 冬の花火その十

「ちゃんとね」
「プレゼントあげるわね」
「そうしてくれるよ、僕だってね」
 実は親父がそうだったことはわかっているけれどだ。
「ちゃんとね」
「プレゼント貰えたのね」
「うん、あとサンタさんは実在するし」
「よく言われてるわね」
「そのプレゼントは幸せだろうね」
 それぞれの子供が好きなものでなくてだ。
「皆へのね」
「形じゃないのね」
「クリスマスの夜に世界中を巡って」 
 そうしてだ。
「そのうえでね」
「お空から幸せを降らしているのね」
「そうだと思うよ、ただその作家さんみたいな人は」 
 独善的で偏見の塊みたいな卑しい人はだ。
「同じ赤い服でもサンタさんじゃなくて」
「赤い服でも」
「閻魔さんの前にね」
「連れて行かれるのね」
「そうなると思うよ」
「地獄行きね」
「この人色々言われてるから」
 作家なのにどうも文章を無断で借用とかをしたらしい、これが本当ならこの人のモラルの程がわかる。
「それでね」
「死んだらなのね」
「地獄に落ちてもね」
 そうなってもだ。
「不思議じゃないよ」
「そうした人が地獄に落ちるのかしら」
「いや、餓鬼道かな」
 僕はふとこうも思った。
「そちらにね」
「落ちるかも知れないのね」
「あまりにも卑しいと」
 その人間性がだ。
「餓鬼に生まれ変わるっていうし」
「地獄に堕ちないで」
「地獄は極悪人が堕ちるところでね」
「餓鬼は卑しい人がなるものね」
「だからね、ああした人はね」
「地獄じゃなくてなのね」
「餓鬼道に堕ちるかもね」
 そう思った。
「その上に畜生道があるけれど」
「犬や猫ね」
「そちらに生まれ変わる人もいるけれど」
 人に生まれ変わらずにだ。
「かなり卑しい人はね」
「餓鬼になるのね」
「そうなるよ、そんな人はね」
 それこそだ。
「餓鬼になってずっと餓えや渇きに苦しむよ」
「餓鬼ってもの食べられないのよね」
「いつも空腹だけれど」
 それでもだ。
「喉が細くてね」
「食べものが通らないのね」
「うん、お腹の中には虫が一杯いるしね」
 蜂やゴキブリ等らしい、普通の寄生虫ではなくてだ。
「それがいつもお腹の中を突いたり刺したりして」
「痛いのね」
「そんな風だからね」
「いつも苦しんでいるのね」
「そうなんだ」
 餓えに渇きそれに痛みにだ。
「人間とは全く違うよ」
「何か地獄より辛いかも知れないわね」
「そうかもね」
 僕も否定しなかった。 
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