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八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる

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第三百九話 冬の花火その九

「それでもね」
「皆お外で楽しんでるから」
「キリストさんよりも」
「サンタさんね」
「そちらだね、サンタさんは聖人だけれどね」
 実在の聖人がモデルだという。
「日本じゃ神様の一柱みたいになってるね」
「キリストさんもそうで」
「日本だと他の神様認めないとかないから」
 御仏にしてもだ。
「キリスト教はキリスト教の神様を信じる宗教で」
「他の神様は他の神様ね」
「だってすぐに大晦日があって」
 十二月三十一日だ。
「そこでは除夜の鐘だから」
「仏教ね」
「それで元旦は神社に行くから」
「他の宗教を認めているから」
「サンタさんもね」
 この人もだ。
「七福神みたいな」
「神様の一柱ね」
「そんな風だよ」
 言うならばだ。
「日本だとね」
「愛されている神様ね」
「そうだね」
 僕は香織さんに微笑んで応えた。
「そのサンタさんも喜んでくれているよ」
「クリスマスを皆が楽しんで」
「そうしていてね」
「そうなのね」
「特に子供がね」
 僕は笑って言った。
「そうしていたらね」
「ああ、プレゼントをあげるね」
「その子供達が笑っていたら」
 それならだ。
「もうね」
「サンタさんが一番喜ぶわね」
「そうだよ、世界中の子供が笑顔なら」
「サンタさんも嬉しいわね」
「そう思うよ、それで子供が笑顔になるには」
 それにはだ。
「やっぱり平和でね」
「戦争がなくてね」
「皆が仲のいい」
「そんな国ね」
「やたら対立とか分断とか好きな作家さんはね」
 またこの人のことを思い出した、正直言ってもう最近では発言よりもその人間性に疑問を持っている。
「子供の笑顔なんかね」
「どうでもいいのね」
「自分の言う正義が大事で」
「独善よね」
「それが大事でね」
 それでだ。
「もうね」
「世界の子供の笑顔はどうでもいいのね」
「特に自分が暗黒国家とか言うね」
 よくぞ言ったものだ、この人の偏見のレベルがわかる。
「そこにいる子供達はね」
「笑顔でなくていいのね」
「地獄に苦しみ味わえとか思ってるだろうね」
「碌でもない人ね」
「あんな人間にはなりたくないよ」
 本気で最低の人間だと思う。
「絶対に」
「私もそう思うわ」
「サンタさんはそんなこと思わないから」
「そうよね」
「悪い子って言われている子でも」
 それでもだ。 
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