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夢幻水滸伝

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第百九十二話 使者達と会ってその二

「ものが壊されてな」
「お金も使って」
「それでええとかな」
「カルトと言ってええですね」
「十字軍にしろ革命にしても」
「流れる血は多く」
「その分悲劇がある」 
 シェリルはこの現実を話した。
「そやからな」
「シェリル様としては」
 ダーガーはこの世界ではシェリルを様付けにしている、起きている世界では先輩と後輩であるがこの世界では主従になっているからこう呼ぶのだ。
「戦は」
「あまりしたくない」
「左様ですね」
「商売も出来ん、田畑も店も何もかも潰れる」
「折角整えたインフラも」
「ええことはない、これをしたいのは」
「まさにカルト教団等位ですね」
 ダーガーは謹んで述べた。
「好き好んで戦をしたい者達は」
「分断と対立を煽ってな」
「そんなことを言う宗教家は信用するな」
「それがジャーナリストでも作家でも」
「革命家でもな、そんな奴は私は嫌いや」
 こうダーガーに言葉を返した。
「そやからな」
「戦はですね」
「せん、そんなに戦したいんやったら」
 そして自分の目的を達したいならというのだ。
「自分がや」
「戦えばいいですね」
「そや、けどそうした奴は絶対にや」
「それはしないですね」
「そやから論外や、そして私はそんな連中とちゃう」
 決してという口調での言葉だった。
「出来るだけ平和に誰も傷付かん様にな」
「勢力を拡大したいですね」
「そうしたい、そやからな」
 だからだというのだ。
「ニュージーランドもパプワニューギニアもな」
「話し合いで勢力を拡大出来れば」
「ええ、最悪星の者同士での戦で済めば」
 それでというのだ。
「ええと思ってる」
「では」
「まずは隣国ニュージーランドとな」
「パプワニューギニアにですね」
「使者を送ろうか」
 シェリルはこのことを決めた、そしてだった。
 実際に両国に使者を送ろうとした時にだった、そのうちの一国ニュージーランドから使者が来てシェリルに言ってきた。
「我が棟梁マーガレット=マンスフィールド様がお話をしたいとです」
「言うてきてるか」
「はい」 
 ンヤダクの使者はこう答えた。
「左様です」
「そうなんか」
「パターソン様にオーストラリアだけでなくです」
 謁見の間アボリジニーの酋長の部屋を思わせるそこで使者は主の座にいてダーガーを傍らに置いているシェリルに話した。
「オセアニア全体のです」
「棟梁にか」
「なって頂きたいとです」
「言うてるんやな」
「そしてニュージーランドは」
 そしてマーガレットはというのだ。
「これからはです」
「私の下にか」
「入りたい、そのことを決める正式な会談をしたいとです」
「希望してるか」
「左様です、そしてそちらのご返信は」
「このキャンベラかウエリントンでな」 
 どちらかの首都でというのだ。 
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