八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる
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第三百八話 最高の雪その五
「イルミネーションを観てね」
「今のこの世界を」
「そうしてね」
そのうえでというのだ。
「満足しよう」
「サンタさんがいてね」
世界の童話の登場人物達の中心にトナカイが曳く橇に乗ったクリスマスそのものと言っていい人がいてだ。
「世界中の童話の人達が仲良くしている」
「そのことがよね」
「いいよね」
「ええ、これだけでね」
「雪がなくてもね」
確かにあることはいいけれどだ。
「それでもね」
「充分過ぎるわね」
「だからね」
「これでいいわね」
「ええ、それじゃあ」
「暫く観ていよう」
香織さんに微笑んで提案した。
「このイルミネーションをね」
「それがいいわね」
「この世界が平和で仲良くしている」
「その姿を表したイルミネーションね」
「本当に分断とか対立とか煽る人ってね」
世の中にはままにしているけれどだ。
「その素性見たらね」
「碌な人じゃないわね」
「とんでもなく品のないタブロイド紙に書いていたりね」
「おかしな人と関係があったり」
「その両方だったりするから」
おかしな人との関係は知らず知らずのうちでもだ、周りにおかしな人がうようよしていてその話を聞くと影響されてしまう。
「だからね」
「気をつけることね」
「日本の為と言っても」
そうした人達が口ではこう言ってもだ。
「それは実はね」
「日本の為にならないのね」
「戦争はしないに限るしね」
もうこれに尽きる。
「避けられない、するしかないものはあっても」
「それでもよね」
「しないならね」
日露戦争みたいな事態は仕方ない、明治帝も勝てないと思われていたし止むを得なしと考えていた山縣有朋も最後の最後まで迷っていた。
「それが一番だよ」
「何といっても」
「誰とも平和で仲良くしていられたら」
「一番ね」
「それを目指すべきだよ、変に好戦的な宗教や思想なんて」
僕は強く思う。
「眉に唾どころかね」
「最初から疑ってかかるべきね」
「そうだよ、ましてそうした宗教や思想って人を利用するだけでね」
碌でもない目的の為だ、お金や権力や理想社会という名前のディストピアとか本当に碌でもないものばかりだ。
「人を利用してばかりで」
「何にもならないわね」
「だからね」
それでだ。
「本当にね」
「まずは仲良くね」
「そうあるべきだよ、総帥さんはそれがわかっておられるから」
総帥さん曰く平和でないと八条グループは仕事が出来ないとのことだ。
「平和をね」
「尊んでおられるのね」
「それで何処かの悪質な作家みたいにね」
あのスキンヘッドで眉の濃い人だ。
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