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八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる

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第三百八話 最高の雪その四

「夏っていう人はいないからね」
「桃太郎も金太郎も浦島太郎も」
「一寸法師もね」
 勿論かぐや姫もだ。
「季節とはね」
「また別よね」
「そうしたキャラばかりだから」
 それでだ。
「夏はね」
「ないわね」
「本当に日本ではクリスマスは冬だから」
 そのイメージだからだ。
「夏の要素はね」
「ないわね」
「うん、サンタさんはトナカイが曳いた橇に乗ってるし」
 これも冬だ。
「だからね」
「本当に冬ね」
「そうだよ、それとね」
「それと?」
「滅多にないけれど」
 それでもとだ、僕は香織さんに話した。ここで息を見ると白い。その白い息もまた冬の風物詩と言っていい。
「雪もね」
「あっ、雪ね」
「それもあったらね」
「札幌だとね」
「いつも積もってるんだ」
「やっぱりね」
「北海道は」
 僕もわかった。
「やっぱり雪が普通に降るね」
「東北から北はそうでしょ」
「あと北陸もね」
「だからね」 
 それでというのだ。
「もうね」
「冬はいつも雪が積もっていて」
「降りもするから」
「それでだね」
「ホワイトクリスマスもね」
「普通なんだ」
「そうなの」
 これがというのだ。
「札幌でもね」
「そこは神戸とは違うね」
「神戸も降るでしょ、雪」
 香織さんは僕に聞いてきた。
「そうでしょ」
「まあ六甲はスキー場もあるしね」
 僕もこう答えた。
「だからね」
「それじゃあ」
「けれど案外ね」
「雪は降らないの」
「神戸自体にはね」
「そうなの」
「大阪よりは降るけれど」
 大阪は正直暑いと思う、夏は特にだ。
「それでもね」
「神戸もあまり降らないの」
「そうなんだ」
 寒いことは寒いけれどだ。
「これが」
「そうなのね」
「そう、それでね」
「ホワイトクリスマスもあまりなの」
「あまりないね」
 こう香織さんに答えた。
「これが」
「そうなのね」
「期待することはね」
 これはだ。
「しても」
「あまり降らない」
「そう思うことだよ」
「そうなのね」
「まあ降らなくてもね」
 それでもだ。
「クリスマスはクリスマスだし」
「それでいいわね」
「うん、だからね」
 僕は香織さんにさらに話した。 
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