夢幻水滸伝
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第百九十一話 海の中の星達その十五
「まずいけどな」
「食べる時はですか」
「ほんまによく火を通すかせんとな」
「虫にやられますね」
「そや」
そうなるというのだ。
「注意が必要やで」
「美味しくなくてそれですか」
「僕も一回食べてみたけどな」
その肺魚をというのだ。
「正直お勧めせん」
「そうですか」
「ああ、ちなみにマロリーの兄さんはな」
グレイカスはイギリスの星の者であり神星の一人である彼の話もした。
「肺魚は食べられることさえな」
「ご存知なかったですか」
「鯉もな」
この魚もというのだ。
「食べられるとはな」
「ご存知なかったですか」
「あの兄さんイギリス人やろ」
「あの、ですね」
「そや、『あの』や」
イギリス人だというのだ。
「それでや」
「食文化はどうにもで」
「日本に来て烏賊や蛸もな」
「食べられるとですね」
「その目で知った位でお寿司とお握りの区別もや」
「ついていなかったのですね」
「そんな人やからな」
それ故にというのだ。
「ほんまにな」
「肺魚のこともですか」
「魚として知ってるだけでな」
それでというのだ。
「食べられることはな」
「ご存知なかったのですね」
「まあ肺魚は仕方ないにしても」
「鯉までとは」
「蛸とか烏賊もな」
「お国柄が出ていますね」
イギリス、この国のというのだ。
「まことに」
「そやな、まあオーストラリアはちゃうからな」
自分達がこれから使者を送るシェリルの国はというのだ。
「羊や牛が多いにしても」
「食文化は実は結構なものですね」
「そこは安心出来るな」
「そうですね、では」
「使者を送ろうな」
四人は盟約を結んだうえでそのことも決定した、オセアニアも確実に動いていた。
第百九十一話 完
2020・12・23
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