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夢幻水滸伝

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第百九十一話 海の中の星達その十三

「そやからな」
「そや、争う理由もないわ」
 グレイカスはハウオファにも応えた。
「これといって」
「それやったらな」
「もうパターソンさんに棟梁にしてもらって」
「そのうえでやな」
「オセアニアを統一して」
 そしてというのだ。
「皆で治めていく」
「それがええな」
「拙者達は精々一国の主の器やからな」 
 バイテは腕を組んで述べた。
「広大なオセアニアを治めることは無理や」
「己の器も見極める」
 ハウオファは強い声で言った。
「それも大事やからな」
「若しそれを誤るとな」 
 どうかとだ、バイテはハウオファのその言葉に応えた。
「その時はな」
「自滅することも有り得るやろ」
「その通りや、よくで持て余す」
 その手に入れたものをだ。
「そうなるさかいな」
「己を知る」
「そのこともな」
 まさにというのだ。
「大事や」
「それでやな」
「おら達はな」
「オセアニアの棟梁にはならん」
「それはパターソンさんや」
「あの人が一番やな」
「ではです」
 モレイがここでまた言った。
「これよりです」
「オーストラリアに使者を送ろうな」
「そうしましょう」 
 是非にというのだ。
「キャンベラの方に」
「そや、この世界でもオーストラリアの首都やキャンベラになってる」
 グレイカスはモレイのその言葉に指を刺さんばかりにして応えた。
「シドニーやなくてな」
「はい、ですから」
 それでというのだ。
「キャンベラです」
「そや、それでや」
「ここはです」
「キャンベラに使者を送ろうな」
「そういうことで」
 こう話してだった、四人はオーストラリアのキャンベラにシェリルにオセアニアの棟梁になってもらうことを頼む使者を送ることにした。
 その話が整ってからだ、モレイは仲間達に話した。
「それぞれの地域で動きがありますね」
「そやな」
 グレイカスはモレイのその言葉にも頷いた。
「このオセアニアだけやなくて」
「はい、まさにです」
「それぞれの地域でな」
「統一に向けて動いています」
「東南アジアや中南米もそうで」
「アメリカや中国も」
「アフリカもな」
 そうした諸地域でというのだ。
「統一が進んでな」
「それと共に発展もです」
「進んでるな」
「そう考えますと」
「オセアニアもな」
「時が来たかと」
 統一のその時がというのだ。
「ですから」
「ここは統一を進めていくべきやな」
「そう思います、それとですが」
「それと?どないした」
「いえ、実は最近です」
 モレイは畏まって話した。 
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