八条学園騒動記
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第六百五話 果てしない推理その十
「何時の間に出たのかしら」
「それでカーチェイスやってるね」
「バトルの次はこっちなのね」
「アクションになったね」
「横に来た敵は蹴飛ばして落としてるし」
オートバイからだ。
「ホームズさんは」
「ワトソンさんは銃撃してるし」
「物凄いアクションね」
「アクション自体は凄いね」
「そうね、ただね」
エミリーはあえてこう言った。
「犯罪してるからね」
「盗んだサイドカーで走ってるから」
「そのことはいいのかしらね」
「凄く謎だね」
「そうよね」
カーチェイスのシーンを観つつ話す、そしてホームズ達は急に目の前に出て来た崖に真っ逆さまに落ちた、シッドはそれを観て言った。
「死んだ?」
「普通はそうなるね」
トムも冷静に答えた。
「これはね」
「何百メートルもある崖の上から真っ逆さまだから」
「何かならず者達は先回りしろとか言ってるけれど」
「これ死ぬよ」
「まず確実にね」
「実際ホームズさん死んだと思われていたし」
モリアーティ教授との最後の戦いで教授もろとも崖から落ちてだ。
「そうだから」
「うん、けれどここで終わるとか」
「そんなことはね」
「有り得ないよね」
「流石に」
死ぬとは流石に思えなかった、そして。
実際にだった、ホームズとワトソンは部屋に戻っていた、それで言うのだった。
「死ぬかと思ったってね」
「何気なく言ってるね」
「普通死ぬけれど」
「怪我一つしてないね」
「どうして生きてたのかしら」
エミリーもそこが不思議だった。
「それも怪我一つなくね」
「不死身とか?」
トムはこのことを本気で疑った。
「まさか」
「マウリア映画じゃ普通かしら」
「だって数百メートルの崖の上から落ちたんだよ」
それも真っ逆さまにだ。
「それで生きてるなんてね」
「しかも無傷だね」
「死ぬかじゃないでしょ」
「普通死ぬよ」
「万が一助かっても」
それでもとだ、トミはエミリーに言った。
「瀕死だよ」
「無傷はほぼ確実にないわね」
「そうだよね」
「ここまで突っ込ませてるのに」
シッドはここで他の視聴者を観た、見れば連合の者は誰もが唖然となっていたがマウリアの者達はというと。
平然と観ている、それで兄に話した。
「マウリアでは普通みたいだね」
「そうみたいだね」
「市場に急に公衆の面前で恐喝する人達が出て」
「ナチュラルにアクションになってね」
「それでその市場の中をバイクで団体で走って来て」
そうしてというのだ。
「カーチェイスになって」
「サイドカーが落ちていて」
シッドはこのことをまた言った。
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