夢幻水滸伝
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第百九十一話 海の中の星達その八
「そうしておくわ」
「これで三人ですね」
「これで後はな」
「はい、タヒチですね」
「タヒチのバイテやな」
「あちらに人を送り」
「そしてや」
そのうえでというのだ。
「誘いをかけるか」
「そうですね、それではそれがしが予定通り」
「タヒチに行くか」
「パラオに戻る途中なので」
それでというのだ。
「丁度いいですし」
「そうか、ほなそっちは任せてええか」
「そうなりますね、では」
「そっちのこともな」
「お話しますか」
「いや、もう今決まったやろ」
豚のスペアリブを焼いたものを両手で持ってかぶりつき肉を豪快に食い千切って咀嚼しつつだ、ハウオファは笑って話した。
「そのことは」
「それがしが行くということで」
「それでな、しかしおら達争わんで済みそうやな」
「そうですね、やはりオセアニアはです」
「この世界でもおおらかやな」
「そうした気質ですね」
「それがええ方向に出てな」
そしてというのだ。
「話が平和にまとまってるな」
「左様ですね」
「それはええことや」
「はい、まことに」
「やっぱり平和が一番や、それとな」
「それと?」
モレイは木のコップの中の椰子酒を飲んだ、一杯飲み終えてからそのうえでハウオファに対して問うた。
「といいますと」
「いや、おら達は話がまとまってるが他の地域はな」
「どうか、ですか」
「まさかおら達だけで世界救えると思ってへんやろ」
「それは不可能です」
モレイは即座に言葉を返した。
「どう考えても」
「星のモンでも三人や四人だけやとな」
「天地人それぞれ七十二人ずつ存在し」
星の者の数もだ、モレイは話した。
「そして神星の方が十八人」
「何故それだけおるかっていうとな」
「はい、それだけの星の方がいてです」
「全員が力を合わせんとな」
「この世界を救えないということでしょう」
「そやからやな」
「はい、ですから三人や四人では」
とてもというのだ。
「精々オセアニアの諸島をどうか出来る位です」
「ほんまその程度やな」
「ですから」
「もっとまとまる必要があるな」
「そうかと。そして」
モレイはパンの実を食べつつ言った、この世界でもこの実は存在していてオセアニアで広く食べられているのだ。
「まずはこのオセアニアですが」
「諸島にな」
「そしてです」
それにというのだ。
「ニュージーランド特に」
「オーストラリアやな」
「何といってもあの国ですね」
「オセアニアはな」
「あの国とお話すべきです」
「おらもそう思う、というかな」
ハウオファは今度はバナナを食べて言った。
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