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八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる

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第三百七話 静かなクリスマスソングその六

「もうね」
「離れるしかないのね」
「離れないと」
 それこそだ。
「自分がね」
「大変なことになるわね」
「最悪取り込まれるか」
 それかだ。
「危害を加えられるから」
「そうした相手だから」
「離れた方がいいよ、人権とか平和とか平等とかを否定して」
 ネットではそうした人もいる、そうしたことを言うのは誰かの陰謀だというのだからとんでもないことだ。
「強者の論理をそのままね」
「言う人は」
「それでおかしな人を聖者と呼ぶ」
「そうした人は」
「もうね」 
 それこそだ。
「カルト教団かね」
「そうした人と同じよね」
「だからもう離れた方がいいよ、普通の人はね」
「こうしてよね」
「皆で仲良くするのが一番だってね」
「思うわね」
「うん、このイルミネーション奇麗だよね」
 僕は香織さんに尋ねた。
「とても」
「光や絵が奇麗なだけじゃないわね」
「この童話を扱ったね」
「皆で仲良くなのがね」
「いいよね、普通の人はこう思うよ」
 その様にだ。
「その筈だよ、けれどね」
「そうじゃない人もいて」
「やたら物騒なこと言って」
 戦いやら分断やら対立なりをだ。
「それで自分は安全な場所にいるから」
「安全な場所にいるのも卑怯よね」
「自分の意見が正しいなら」
 そう思うならだ。
「もうね」
「堂々と言えばいいわよね」
「そうだよ、人を煽らずに」
 それも匿名の場所でだ。
「もう堂々と言えばいいんだよ、自分を前に出して」
「安全でなくても」
「正しいと思うなら言えるしね」
「そのことも卑怯よね」
「そうも思うし」
 それにだ。
「明らかに普通の人と倫理観が違うし」
「カルト教団の倫理観ね」
「倫理観もそれぞれで」
 そしてだ。
「百人いれば百人の倫理観があるよ」
「それはその通りね」
「けれど明らかにおかしな倫理観もあるから」
 世の中にはだ。
「それでね」
「そのうえでよね」
「どうしようもない位におかしな人は」
「離れて」
「それでその人がどういう人か言うべきだよ」
 間違っているとだ。
「そうすべきだよ、その人に影響される人が出ない様に」
「それがいいのね」
「僕はそう思うよ、このイルミネーションには孫悟空もトムソーヤもいるよ」 
 その人達もいる。
「けれどここである国のものだからってね」
「言うとよね」
「駄目だよ、狼でもね」
 欧州で悪者とされているこの生きものもいるけれどだ、見れば桃太郎や一寸法師と共に鬼もいて笑顔でいる。瘤取り爺さんとも一緒だ。 
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