八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる
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第三百七話 静かなクリスマスソングその七
「一緒にいるのはね」
「皆が仲良くするのが一番」
「そう思うからだよ」
「そうなのね」
「八条家は昔からその考えだしね」
それこそ公卿だった頃からだ。
「だからね」
「余計になのね」
「そうした考えを大事にして」
そうしてだ。
「そのうえでね」
「経営もしていっているのね」
「そうなんだ」
八条グループをだ、戦前は財閥だった。
「昔共産主義者に資本家が戦争を起こすとか言われていたけれど」
「違うわよね」
「戦争なんか起こしたら」
それこそだ。
「物騒で普通に商売出来ないからね」
「戦争は起こさないわね」
「それが現実だから」
死の商人なんかいてもだ、武器にしても勢力均衡で売るものが大抵だ。
「実際兵器ってあまり利益ないし」
「八条グループでも造ってるわね」
「正直そっちはね」
「儲かってないの」
「売る数少ないし」
相対的なそれがだ。
「技術とか設備も物凄くお金使っても」
「採算取れないのね」
「そんなのだからね」
それでだ。
「兵器ってね」
「実入りないのね」
「それを売るよりも」
それよりもだ。
「歯磨き粉とかの方が売れるよ」
「歯磨き粉?」
「うん、技術も設備もね」
そうした方面への投資もだ。
「実際のところね」
「採算が取れるの」
「だって兵器の投資より安いし」
技術も設備も両方だ。
「兵器なんてもうそれこそね」
「滅茶苦茶お金かかるわね」
「そうだし売る相手もね」
「限られているわね」
「日本なんてね」
我が国の話をするとだ。
「自衛隊にしか売れないし」
「自衛隊だけね」
「他の国に売れないから」
間違ってもだ。
「自衛隊も最近退役した艦艇とか他国にって考えてるらしいけれど」
「それでもよね」
「買い手が少ないし世界的にもね」
「買う人少ないのね」
「銃は売れるけれど」
これはだ。
「戦車とか戦闘機はね」
「そうそう売れないのね」
「しかもそれでいて技術とか設備へのお金が凄いから」
「採算取れないのね」
「歯磨き粉は誰もが使うよね」
「それはね」
まさにとだ、香織さんも答えた。
「もうね」
「そうだよね」
「誰でも使うわよ」
「何か変な人が歯磨き粉使うなって言ってたけれど」
週刊金何とかという雑誌だ、市民団体の人が読む雑誌らしいけれど正直おかしなことばかり言っている。
「そんな人は例外としてね」
「歯磨き粉は誰でも使うわね」
「しかも定期的に売れるし」
消耗品だからだ。
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