恋姫伝説 MARK OF THE FLOWERS
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第九十七話 司馬尉、京観を造るのことその十
「軍を指揮して戦う」
「そうした才覚はあるわね」
「そうね」
その通りだとだ。曹洪も言った。
「そうした才覚を持っているわね」
「それはそれで厄介だな」
これまで話を聞いていたビリーが言った。
「正直一人で戦うのと兵隊率いて戦うのは別だからな」
「ああ。それだけ範囲は広いってことだからな」
ビリーの言葉にホアも頷く。
「そういうことだからな」
「そもそもな」
どうかとだ。今度はダックが話す。
「あの司馬尉って娘は元々参謀だったよな」
「軍師か?それだな」
マイケルも言う。
「作戦を立てるのが仕事だったよな」
「それならあの妹連中もだろ」
ダックは二人のことを察してこう言った。
「洒落にならない位にな」
「切れるわね」
「だからこそあえてね」
曹仁と曹洪も腕を組み考える顔で話す。
「私達を外して」
「自分達だけでやる」
「それだけの自信があるからこそ」
「するのね」
このことがだ。わかったのだ。
「ただ除け者にするだけじゃない」
「それができるだけの自信がある」
「だからこそああして」
「自分達だけでね」
「それとね」
「まだあるわね」
田豊と沮授が目を光らせて話した。
「どうやら私達にあえてね」
「見せるつもりね」
「それならよ」
「見るしかないわね」
曹仁と曹洪は観念した顔で述べた。
「もうこうなったら」
「そうしましょう」
「結局はそうだよな」
ビッグベアもここで言った。
「まあ奴等が何をするかな」
「見るとしよう。ただじゃ」
タンの目がだ。ここで光った。
その眉の奥の目を光らせながら。それで言うのだった。
「嫌なことが起こりそうじゃな」
「そうね。そのこともね」
「覚悟しておきましょう」
田豊と沮授が応える。そうしてだった。
彼等は司馬尉達の戦を見守ることにした。その戦は。
まずは山を囲んだ。その動きは。
あまりにも迅速でありしかも山を完全に取り囲んでいた。その陣の様子を聞いてだ。
沮授がだ。唸る様にして言った。
「見事な布陣ね」
「そうよね」
田豊もだ。ここで言った。
「山を完全に囲んでいるわ」
「兵を効果的に使ってね」
「この布陣をあれだけ短い間に済ませるなんて」
「私達でも中々こうは」
いかないというのだ。そのことを話してだ。
「いかないわね」
「そうはね」
「これは」
素直な賞賛だった。相手が胡散臭いと見ている相手とはいえだ。
その布陣はこう評された。そしてだ。
ダックもだ。こんなことを言った。
「あの連中の陣見てきたけれどな」
「どうだったの?」
「それで」
「嫌な雰囲気だったな」
サングラスの奥の目を顰めさせて。それで話した。
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