恋姫伝説 MARK OF THE FLOWERS
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第九十七話 司馬尉、京観を造るのことその十一
「戦うっていうよりはな」
「それよりは?」
「どういった雰囲気なの?」
「虐殺っていうのか?ほら、あるだろ」
彼には縁のなかったことだがそのこと話として出すのだった。
「ああいう。無意味に殺してそれを楽しむ様なな」
「そういう感じ?」
「そんな雰囲気なの」
「ああ、そうだよ」
こう話すのだった。
「やばいぜ。何かな」
「まさかとは思うけれど」
「戦に出ているのだし」
そうだとだ。曹仁と曹洪は首を捻りながら話した。
「山賊達は攻めて降伏させる」
「それがやり方だけれど」
「だよな。山賊なんてな」
ビリーもそれは当然といった感じで話す。
「懲らしめて後はな」
「ええ、とんでもない連中以外はね」
「村に戻すか兵に組み入れるか」
「そうするものだから」
「そうだろ?それで何で虐殺なんだ?」
首を捻って話すビリーだった。
「ダックよ、それちょっとおかしくないか?」
「俺もそう思うけれどな」
そしてそれはダックもだった。こう言ったのだ。
「あの連中がこれからするのは戦いだしな」
「しかし。嫌な雰囲気か」
リチャードはダックのその言葉に首を捻って話す。
「気になるな」
「全くだな」
「そうだな」
そんな話をしてだった。彼等は。
司馬尉の動きを見続ける。そしてだった。
夜にだ。山賊達が油断して寝た頃にだ。
すぐにだ。囲んだままでだ。
兵達を動かしてだ。即座にだ。
四方八方から攻め立てる。派手に鐘を鳴らし。
「さあ、このままね」
「攻めなさい」
司馬師と司馬昭がこう彼等に命じる。
「山賊達は斬るより捕らえる」
「そうしなさい」
殺しはしないというのだ。
「一人一人。出て来た者をね」
「それぞれ捕らえるのよ」
これが彼女等の策だった。そしてだった。
兵達の動きは。夜であってもだった。
まるで昼の様にだ。的確に動いてだ。
寝込みを襲われしかも夜目にまだ慣れていない山賊達をだ。個々に捕らえていくのだった。
その動きを見ながらだ。司馬師は司馬昭に話した。
「姉上はお流石ね」
「そうね」
こう二人で話すのだった。
「兵達に攻める前にじっくりと目を閉じさせ目を闇に慣れさせ」
「そのうえで攻める」
「こうすれば夜であってもね」
「普通に動けて攻められるわ」
だからいいというのだ。実際にだ。
兵達は山賊達を圧倒していく。取り囲んだうえでのその動きでだ。
山賊達は瞬く間にその殆んどが捕らえられた。討たれるよりもそうされた。
そして朝にだ。司馬尉は。
その捕らえて縛られている彼等を前にしてだ。悠然として言うのだった。
「ではね」
「はい、いよいよですね」
「これからですね」
「楽しむわ」
こうだ。妹達にも話す。そうしてだった。
山賊達を一人一人だった。
首を刎ねその首でだ。何と。
左右に二つの柱を築きだ。門にしたのだった。そしてその門を兵を引き連れ潜ってだ。
そのうえでだ。冷酷そのものの笑みを浮かべてこう言った。
「これが勝利の証よ」
その首の門を潜ってから言うのだった。それを見てだ。
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