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恋姫伝説 MARK OF THE FLOWERS

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第九十七話 司馬尉、京観を造るのことその九

「まずいものを食べるのもね」
「それもですか」
「楽しみなのよ」
「とにかくですね」
 郭嘉はいぶかしみながらジェニーに応える。
「美羽様とお話してです」
「それで飲んでみるのね」
「そうさせてもらいます」
 今はこう言うしかできない郭嘉だった。そうしてだった。
 彼女は袁術とのデートに向かおうとする。だがそこでだった。
 何処からかだ。爆発音が聞こえてきた。その音を聞いてだ。
 彼女だけでなく他の面々もだ。顔を顰めさせて言った。
「まさかまた」
「あの二人が」
 爆発の元凶はすぐに察しがついた。
「片目を瞑るなりしたのか」
「それでなのか」
「全く恐ろしい人達です」
 程昱も眉を顰めさせて言う。
「それだけであそこまでの騒ぎを起こすとは」
「爆発の方角からすると」
 ガルフォードは音の大きさも含めて察して述べた。
「城壁の外だな」
「そうね。人気の少ない場所ね」
 ジェニーもそれを察して言う。
「被害は今回は少なそうね」
「とりあえずはよかったです」
 程昱も損害は軽微と見て述べた。
「あの人達はまさに存在自体が最終兵器ですから」
「一瞬ひやっとしました」
 郭嘉は実際にその顔を安堵させている。
「美羽様が巻き込まれたかと思いました」
「袁術さんなら大丈夫です」
 彼女のことは程昱が保障した。
「そう簡単にどうにかなる人じゃありませんから」
「そうだというのね」
「そう。袁術さんも存外頑丈な方です」
 程昱はこのことをよく把握していた。袁術のそのことをだ。
「ですから」
「だといいのだけれど」
「じゃあ凛ちゃん」
 また告げる程昱だった。
「行ってらっしゃい」
「え、ええ」
 こうしてだった。彼女は袁術のところに向かうのだった。そしてそのうえで、だった。
 二人でデートを楽しみにだ。そして向かうのだった。
 彼等が都で楽しんでいるその頃だ。擁州では。
 司馬尉達がだ。いよいよだった。
 山賊達のいる山にだ。攻撃を仕掛けようとしていた。
 それを見てだ。曹仁が仲間達にやや忌々しげに問うた。
「やっぱりこうなったわね」
「ええ、そうね」
 曹洪が彼女のその言葉に応える。
「予想していたけれどね」
「私達は蚊帳の外ね」
「司馬家だけで全てやるつもりね」
 そうなっていたのだ。彼女達もその率いている兵達もだ。完全に蚊帳の外だった。
 その中でだ。沮授が言った。
「問題はあの姉妹ね」
「司馬師と司馬昭ね」
「ええ、あの二人よ」
 まさに彼女達だとだ。田豊にも答える。
「あの二人だけれど」
「果たして武の才覚はあるのかしら」
「多分ないわね」
 曹仁がそれを察して述べた。
「自分達で武具を手にして戦うのはね」
「それは不得手よね」
「そうした者ではないわね」
 こうだ。曹仁は田豊に対して答えた。
「ただ。そうでなくて」
「私達みたいな」
「そうした感じね」
 袁紹の軍師二人がだ。鋭い目になって述べた。
 
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