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八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる

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第三百六話 イルミネーションの前でその十五

「もうね」
「止めないのね」
「誰が注意してもね、総帥さんなんかね」
 一族そして八条グループを率いるこの人になるとだ。
「親父は遊ばないとってね」
「言っておられるの」
「家は大事にしているからね」
「いいっていうのね」
「いつもそう言って」
 そうしてだ。
「笑ってるよ」
「そうなのね」
「注意する人もわかってね」
「言ってるの」
「親父が家を大事にして」
 そしてだ。
「人の道は踏み外していないことをね」
「わかっているのね」
「それで注意してもね」
「止めないこともなの」
「全部わかってね」
 そのうえでだ。
「親父のことを思ってなんだ」
「そうなのね」
「その人が言うには弟みたいだからって」
 そう見えるからだというのだ。
「注意してるって僕に話してくれたよ」
「その人義和には何も言わないの」
「全く言わないよ」
 僕に対してはだ。
「その人が言うには遊び人の血は引かなくてよかったってね」
「言っておられるのね」
「いつもね、ただ本当に親父は遊び人でも」
 このことは紛れもない事実でもだ。
「人の分はね」
「弁えて遊んでおられるのね」
「暴力は振るわないし交際相手がいる人とは付き合わないし」
「麻薬もよね」
「あと遊ぶ人の年齢も見てるから」
 そのこともだ。
「間違っても子供にはね」
「手を出さないのね」
「そういうの嫌いみたいだから」
 子供相手にそうした遊びをすることはだ。
「世の中そんな人もいるけれど」
「いるわね、実際に」
「僕もそんな趣味ないけれどね」
 所謂幼女趣味だ、あの悪名高きKGBの長官ベリヤがそれで随分と嫌な話がこの人物には存在している。
「理解出来ないよ」
「子供の何処がいいのかしら」
「それがわからないけれど」
 本当に僕にしてもだ。
「世の中にはね」
「そんな趣味の人もいるのね」
「けれど親父はね」
「そちらとも無縁なのね」
「何でも俺は遊び人だが」
 親父の言葉をそのまま言ってみた。
「外道じゃない」
「そう言っておられるの」
「そうらしいから」
 それでだ。
「暴力も麻薬も幼女趣味もね」
「無関係なのね」
「相手に無理強いとかね」
 これも親父が言ったことだ。
「しないってね」
「言っておられるのね」
「兎に角遊び人でも一線は引いていて」 
 そうしてだ。
「人の分は守ってるよ」
「そこ恰好良いわね」
「だろうね、人間ちゃんとしたものが中にあったら」
 それでだ。
「恰好がつくね」
「そうよね」
「ポリシーがあって」
 そしてだ。
「それを守るならね」
「恰好がつくわね」
「うん、無節操ならね」
 そしてだ。 
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