八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる
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第三百六話 イルミネーションの前でその十三
「しかも仕事もしないで何の芸もないのにふんぞり返っているし礼儀作法もね」
「知らないの」
「他の人のお家で疲れてる人にコーヒー淹れてくれるかとか」
「思いやりもないの」
「もうそんなのだと」
つくづくだ。
「格好良くないよね」
「というか最低ね」
「こんな格好悪い人はね」
「そうそういないわね」
「生き方でね」
もうそれでだ。
「そうなっている人だよ」
「そういうことね」
「恰好悪い人はね」
「外見よりもなのね」
「生き方、性格でね」
「そうなるのね」
「自分は何もしない、出来ないのに偉そうなことばかり言って」
そしてだ。
「恩知らずで図々しくて思いやりがなくてね」
「無作法なら」
「どんな外見でも」
それが絶世の美男子でも美女でもだ。
「恰好悪いよ」
「そうなるわね」
「逆に恩義を知っていて謙虚で礼儀正しくてね」
「思いやりがあったら」
「いつもそうならね」
心掛けていてだ。
「恰好よくもね」
「なれるわね」
「恰好よくはなくても」
それでもだ。
「いい人であることはね」
「事実よね」
「こんな人は要領がよくてもね」
悪い意味でだ、ずるいとも言っていいか。
「所詮っていうか」
「それだけよね」
「幾ら要領がよくても」
「そこまで酷いとね」
「どんな親しい人でも匙投げて」
そうしてだ。
「見捨てられてね」
「終わりね」
「そうなるのがオチだから」
「そのことも恰好悪いわね」
「一人になっても何かする人は恰好いい場合があるけれど」
「そうして一人になる人はね」
「恰好悪いよ」
自分があまりにも酷くてそうなる人はだ。
「本当に恰好良さはね」
「内面ね」
「坂本龍馬だってね」
子供の頃はおねしょをして泣き虫で落ちこぼれだったけれどだ。
「やっぱり中身がね」
「恰好いいわよね」
「そういうことだよ」
「結構お顔もいい感じだけれど」
「それ以上にね」
坂本龍馬にしてもだ。
「内面だよね」
「前向きで心が広くて」
「そんなところが格好良いから」
それでだ。
「人気があるんだよ」
「そういうことね」
「そんなさっき言った人みたいな人は」
尚実在人物だ、本当にそうしたことばかりしていて遂には誰からも見放されて嫌われて今は行方知れずだ。
「これ以上はないまでにね」
「恰好悪いわね」
「外見以前だよ」
「本当に中身ね」
「そう思うよ、それで親父もね」
ダンディズムを言うその親父もだ。
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