八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる
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第三百六話 イルミネーションの前でその十二
「その中ではね」
「一六四だと」
「明治の日本人はどんどん大きくなっていってる中で」
「一六四だと普通か」
「結構高かったみたいだよ、けれどその中で」
芥川が主に活躍した大正から大戦中にまで至ってだ。
「一七〇あるとね」
「背が高い方だったのね」
「うん、それだけあったけれど」
身長はだ。
「人気球団にいなかったこともあるしね」
「外見だけだとなの」
「あまりね」
これといってだ。
「恰好よくなかったけれど」
「その中身でなのね」
「ただひたすら野球に真面目に打ち込んでね」
監督としてチームを率いてだ。
「選手の人達と一緒に泥に塗れて熱心に指導してね」
「チームを強くしていってたのね」
「それで優勝させていくっていうね」
「そんな人だったのね」
「その生き様でね」
まさにそれでだ。
「恰好良さを見せた人だよ」
「中身がどうかで」
「外見も確かにあるけれど」
それでもだ。
「むしろ中身がね」
「どうかで格好良くなるのね」
「恰好悪い生き様もあるからね」
そうした人生を送っている人もだ。
「何もしない、出来ないでふんぞり返っているとか」
「そんな人いるわよね」
「それで偉そうに言うだけでね」
「自分は全くって言う人が」
「何も勉強も努力もしないのに」
それでもだ。
「偉そうにしてね、お金もたかってね」
「それで恥知らずで」
「そんな人もいてね」
「そうした人は恰好悪いわね」
「例え外見がよくてもね」
本当にそれでもだ。
「中身や生き方が駄目だと」
「恰好悪いわね」
「例え顔がある程度よくても」
僕は今度は悪い事例を思い出した。
「奥さんのお世話になっていても恩義を感じずにね」
「それでなの」
「偉そうに言ってお料理作ってもらっても」
「感謝しないで?」
「味の文句ばかり言って」
甘いだの辛いだのだ。
「人から本を借りてもね」
「やっぱりなのね」
「感謝しないでね」
こちらでもだ。
「偉そうに評論ばかりして、誰に何かしてもらっても」
「感謝なんてしないで」
「不平不満、文句ばかりとか」
「恰好悪いわね」
「しかも人のお家に今日行くって言って上がり込んで」
相手の事情も聞かずにだ。
「ご飯三杯も四杯も食べてお風呂にも堂々と入って」
「厚かましいわね」
「人の部屋に無断で入って」
家族でもないのにだ。
「本を漁って放り捨ててね」
「無茶苦茶図々しいわね」
「いいお布団で寝て帰るとか、生活費まで貰ってね」
「最悪な人ね」
「そんな風だとね」
それこそだ。
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