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夢幻水滸伝

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第百九十話 南の諸島においてその三

「家に留まりそのうえで」
「鍛錬と学問に励まれていましたか」
「これではいけないと思いつつ」
 世界の為には動いていないからだ、モレイ自身もそう考えていたのだ。
「そうしていました、どう動くべきかわからず」
「左様でしたか」
「しかし」
 それでもとだ、モレイは酋長に答えた。
「貴方が今言って頂いたので」
「それで、ですか」
「道が見えました」
 こう答えた。
「それがしも、では貴方達の棟梁としてです」
「そのお立場で、ですか」
「まずはパラオを一つにし」
 そうしてというのだ。
「モンスター達も倒し」
「そのこともして頂けますか」
「巨人でも何体いてもものの数ではありません」 
 モレイの実力ならだ、星の者の能力はそれこそ神の域に達しておりこの世界の者では太刀打ち出来ない巨人も何体いても何でもないのだ。
「ですからこの力で」
「モンスターを倒してくれますか」
「そして巨人が出ても」 
 神出鬼没で暴れ回る彼等でもというのだ。
「そうさせて頂きます」
「では」
「道が見えました」
 モレイは確かな声で言った。
「ではこれより」
「はい、宜しくお願いします」
 酋長はモレイに笑顔で応えた、これをはじまりとし。
 モレイは動きはじめた、早速パラオの棟梁になることを宣言し。
 まずは島の統一とモンスター退治にかかったが島の者達は星の者達である彼が立ったと聞くとだった。
 誰もがそれならと言ってやってきた、それはパラオの全ての島で同じで。
 モレイは瞬く間にパラオ全土の棟梁となった、彼はこのことに納得して言った。
「我が国らしいですね」
「基本のどかで平和な国民性ですし」
「争わないですし」
「これまでの争いも精々喧嘩程度で」
「そんなものですから」
「平和で過ごせるなら」
 それならとだ、パラオの者達もモレイに話した。
「争いを好まない国民性ですから」
「モレイ様のところに加わります」
「そうなるものです」
「そうですね、そやけど」
 モレイは日本で身に着けた方言も出して話した。
「思った以上にですか」
「統一が速やかに進んだ」
「そう言われるのですね」
「その様に」
「はい、流石は我が国ですね」
 これは彼の素直な気持ちだった。
「平和でのどかで」
「素朴で、ですね」
「争いを好まない」
「そうした国民性ですね」
「それがいい方に出ました、ではモンスター退治もしつつ」
 モレイは今度は笑って言った。
「パラオを治めていきましょう」
「そうしていきますね」
「これよりは」
「そうしていきますね」
「是非。ただそれがし一人では」
 どうしてもと言うのだった。
「限度があります」
「そうなのですか」
「星の方でもですか」
「出来ないことがありますか」
「何故星の者が二百三十四人もいるか」
 このことから話すのだった。 
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