八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる
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第三百六話 イルミネーションの前でその四
「夜はワインで」
「お昼は何でもいいんだね」
「ビールでもね」
「そのお酒もだね」
「いいでしょ、ドイツじゃ普通なのよね」
「あそこはビールの国だからね」
ドイツの代名詞の一つだ、チェコそしてアイルランドと並ぶビールの国だ。
「朝から飲んでるし」
「それじゃあクリスマスもよね」
「朝に生卵入れて読むからね」
僕はこれはしたことがない、この組み合わせは幾ら何でも痛風になると思ってのことだ。それに日本でこの朝食はない。
「そうしたお国柄だから」
「それじゃあね」
「クリスマスでも飲んでるよ」
「そうよね」
「それじゃあだね」
「夜はワインでね」
クリスマスの定番はだ。
「それでよ」
「お昼はビールでもいいね」
「極論すれば日本酒でもね」
「そちらもいいね」
「そうでしょ、それに日本酒もワインじゃない」
「英語だとね」
僕は香織さんに笑って答えた。
「そうだよ」
「そうでしょ」
「ライスワインだからね」
日本酒は英語訳するとこうなる、ただこの訳し方だと韓国のマッコリもお米から造るのでマッコリも日本酒も同じになるのだろうか。
「そうなるよ」
「それじゃあ極論だけれど」
香織さんはこう前置きして僕に話してくれた。
「夜に日本酒でもね」
「いいんだ」
「そうなるかしら」
「それはどうかな」
僕は香織さんに首を捻って返した。
「やっぱり日本酒はお米だから」
「クリスマスにはなのね」
「クリスマスはやっぱり欧州だから」
キリスト教は中近東からはじまった宗教だけれどだ。
「そちらだからね」
「日本酒は合わないのね」
「レストランに日本酒持ち込むとかね」
生牡蠣にはこれが一番と言ってだ、これはとある漫画で主人公の新聞記者がやっていたけれどこの漫画自体がやたら短気で無教養で下品な野蛮人しか出ないから論外だ。この主人公にしてもお店の中で料理の口が合わないと騒ぐ様な人間だ。ネットの動画に某新聞社の記者の食堂での行動とかいって流すと面白いだろう。
「普通の人はしないよね」
「お店にも置いてないわね」
「だからね」
「それはないのね」
「やっぱりクリスマスの夜に日本酒はね」
「合わなくて」
「ワインだよ」
これ以外はないと僕は思う。
「本当に」
「そうなるのね」
「それでね」
「それで?」
「僕が思うにね」
あくまで僕個人が思うことだ。
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