ドリトル先生と不思議な蛸
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第三幕その四
「邪悪だよ、だからそんな人達の暴論は退けて」
「水族館や動物園は守っていかないとね」
「植物園も」
「他のこともそんな意見は退ける」
「他の人達がおかしなことを言うなって言ってね」
「そう、一つの暴走した正義は百の正論で論破して」
そしてというのです。
「その動きを抑えるべきだよ」
「そうしておかしなことにならない様にする」
「そういうことだね」
「先生の言うことは正しいよ」
「まさにその通りだよ」
「そう思うよ、僕達も」
「本当にね」
動物の皆もそうだと頷きます、そしてです。
先生達はラッコからダイオウグソクムシを観てです、その後で。
カブトガニを観ました、するとチープサイドの家族が言いました。
「瀬戸内海にいるんだよね」
「日本のね」
「遥か昔からいる」
「貴重な生きものね」
「何か不思議な形ね」
ダブダブもカブトガニを観て言います。
「フライパンみたいな」
「あっ、似てるわね」
ポリネシアはダブダブの言葉に頷きました。
「言われてみれば」
「そうだね、丸くて尻尾が細長くて」
トートーはカブトガニのその形をまじまじと観ています。
「まさにそうだね」
「瀬戸内海も凄い海だよね」
「そうそう、迷路みたいだっていうね」
オシツオレレツはカブトガニを二つの頭で観ています、そのうえでの言葉です。
「その瀬戸内海にいるんだ」
「あの海に」
「瀬戸内海だけにしかいないんだ」
ガブガブはしみじみとした口調でした。
「世界で」
「それってシーラカンスと同じだね」
ホワイティはこのお魚を思い出しました。
「その場所にしかいない大昔からいる生きものっていうと」
「恐竜の頃からいるんだったね」
チーチーは興味深そうです。
「カブトガニもシーラカンスも」
「カブトガニは恐竜以前からじゃなかったかな」
ジップはこう言いました。
「確か」
「けれど大昔からいることは事実で」
老馬もカブトガニを観ています。
「こうして観られることは貴重だね」
「そうだよ、カブトガニが観られる水族館だから」
それでと先生も言います。
「この水族館は素晴らしいよ」
「バイカルアザラシ、スナメリ、ラッコがいて」
「それでカブトガニもいる」
「だからね」
「ウミガメも沢山いたね」
彼等のお話もします。
「ヌートリアも」
「そうだね」
「本当に色々いるね」
「色々な生きものがいて」
「そして学べてずっといられる様にしているのね」
「そうだよ、ただ最近この水族館は」
先生は笑ってこうも言いました。
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