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八条学園騒動記

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第六百二話 梅干しの魔力その十

「それで目立つこともね」
「出来ないのね」
「これがね」
 どうにもというのだ。
「それが悩みどころだよ」
「目立てないところがか」
「日本で言うと」
 トムは自分達がいる国の例えを話した。
「紀伊星系かな」
「あそこ結構いい星系だけれど」
 ジャッキーも応えた。
「そういえばね」
「結構だよね」
「マイナーね」
「カナダ程でなくても」
「どうもね」
「あそこもね」
 その紀伊星系もというのだ。
「他の星系が目立ってるし」
「自己主張がなくて」
「そのせいで」
「個性もないのかな、個性が強いと」
 それならというのだ。
「やっぱりその分目立つよね」
「カナダの個性か」
 テンボはその話になってこう言った。
「目立たないことか」
「それ個性かな」
「それも個性じゃないのか」
 目立たないこともとだ、テンボはトムに返した。
「やっぱりな」
「全然よくない個性だね」
「それでもな」
「個性だっていうんだ」
「俺は今そう思った」
 こう言うのだった。
「実際にな」
「そうなんだ」
「だからカナダもな」
 トムの国もというのだ。
「目立たないことがな」
「個性なんだ」
「そうした個性もあるだろう」
「全然いい個性じゃないね」 
 トムやや項垂れて言った。
「正直言って」
「そう思うか」
「もううんと派手に目立つ様な」
 そうしたというのだ。
「個性が欲しいよ」
「アメリカや中国みたいに?」
 ジャッキーがここでこう言ってきた。
「そんな感じで」
「うんうん、それでね」
 まさにというのだ。
「いつも言いたいことを言ってしかもいるだけで目立つ」
「そうした個性ね」
「思いきりパワーも出して」
 そうしたこともしてというのだ。
「活発なね」
「そうした個性が欲しいのね」
「僕としてはね」 
 祖国であるカナダにというのだ。
「欲しいよ」
「切実な問題?」
「僕としては。悪名は無名に勝るだよ」
「悪い意味で有名な方が」
「うん、存在感がないよりね」
 つまりカナダよりもというのだ。
「まだね」
「いいのね」
「本当にマイナーだと」
「苦労するの」
「建国からだからね、連合の有力国家ともね」
 その様にもというのだ。 
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