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八条学園騒動記

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第六百二話 梅干しの魔力その九

「何千万も殺しているから」
「怖いなんてものじゃないな」
「それこそね」
「それで今も」
「流石に粛清や虐殺はしないが」
「それでもね」
「暗殺とか強権とか」
 そうしたというのだ。
「話の絶えない大統領多いね」
「側近をいきなり解任したりな」
「そんな人ばかりね」
「そしてそうした大統領が」
 まさにというのだ。
「人気が出るからね」
「ロシアにはか」
「なれないのね」
「カナダはね」
 とてもというのだ。
「あっちは戦争と平和や罪と罰じゃない」
「トルモノトレか」
「ドントコイスキーね」
 また二人は名前を間違えた。
「どっちもロシア文学の巨匠ね」
「名前はよく知っているぞ」
「ドコカラコイーなんてね」
「その罪と罰のポッポフィーリー警部が凄いな」
「推理小説の一つのジャンルなのよね」
「相手を静かに追い詰めていくからな」
「うん、色々突っ込みたいけれど」
 名前を間違えているところだ、ポルフィーリー警部を含めて。この警部がコロンボのモデルと言われている。
「そんな重厚で長大で有名なロシア文学と」
「カナダ文学か」
「それはなの」
「誰か思いつく?赤毛のアンのシリーズ以外」
「えっ、シリーズだったの」 
 ジャッキーは驚きの顔で聞き返した。
「赤毛のナンって」
「アンだよ、シリーズなんだよ」
「そうだったの」
「赤毛のアンはアンの少女時代で」
 その頃の話である。
「ギルバートと結婚してからも作品としてあって」
「そうだったの」
「そして娘さんのお話までね」
 名前をリラという。
「あるんだ」
「そうだったの」
「これ皆知らないから」
 赤毛のアンがシリーズということをだ。
「若草物語は知っていても」
「俺は最初赤毛のアンはアメリカの作品と思っていた」
「あたしも」
 二人はここで身も蓋もないことを言った。
「違うのよね」
「これがな」
「二十世紀のカナダのお話で」
「アメリカじゃなかったな」
「今も間違える人いるから」
 赤毛のアンがアメリカ文学だとだ。
「もうそこで負けてるよ」
「ロシア文学とはか」
「同じく寒くて星系の多い国でも」
「うん、ロシア文学を間違える人なんて」
 それこそというのだ。
「いないけれど」
「カナダはか」
「そうはいかないのね」
「うん」
 こう答えた。
「だからね」
「もうロシアみたいには」
「出来ないし」
 それにというのだ。 
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