八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる
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第三百五話 イルミネーションその五
「そんな人にはね」
「なりたくないよね」
「何があってもね」
「面白くないよ」
不平不満ばかり言っている人生なんてだ。
「というかそういうこと言う人程ね」
「好き勝手やっているのよね」
「今話した人なんてね」
もうそれこそだ。
「自分が遊びたいだけ遊んで観たいテレビばかり観て」
「好き勝手の限りだったのね」
「ちょっとそれが出来ないとヒステリー起こしてね」
それでだったのだ。
「喚き散らしてものを外に投げ散らしてね」
「物凄いわね」
「とんでもない人だったから」
「ずっとそうだったの」
「頭おかしいんじゃないかって言う人もいたよ」
「そう言われてもおかしくないわね」
「うん、もうとんでもない人だったからね」
僕が見てもだ。
「自分だけの人でね」
「それでも不平不満ばかりって」
「訳がわからなかったよ」
「そうよね」
「まあそのお陰で家族からも親戚からも知り合いからもね」
「嫌われていたのね」
「集まりの中に行っても」
それでもだった。
「誰も声をかけない様なね」
「そんな人だったのね」
「もう皆声をかけなかったし」
それにだ。
「目を合わせることもね」
「なかったの」
「皆虫していたよ」
見たら本当に皆そうしていた。
「兎に角徹底的にね」
「嫌われていた人だったの」
「そうだったよ、そうなることもね」
「当然の人よね」
「しかも人が一歩下がったら」
そうしたらだ。
「平気で一歩前に出たから」
「遠慮しなかったの」
「図々しいのでも有名だったから」
「いいところない人だったの」
「殆どね、だから皆から嫌われていたんだよ」
「まあ当然ね」
「しかも置き土産まで残すところだったし」
尚悪いことにだ。
「甘やかしていた息子さんをね」
「子育ても駄目だったのね」
「そうなんだ、この息子さんもね」
「不平不満ばかりだったのね」
「何かしてもらっても恩に感じないでね」
そうしてだった、この人も。
「仕事しなくてずっとお家にいてね」
「働らかなかったの」
「うん、それで何の資格も特技もなくてね」
しかもだった。
「尊大で居丈高でね」
「その人も酷いわね」
「どうしようもない人だったよ」
「その人が置き土産になるところだったの」
「叔父さんのお葬式の時家族でもないのに後の食事の時に平気で上座に来たし」
「えっ、そうなの」
香織さんもこのことには驚きの声をあげた。
「上座になの」
「家族でもないのに平気でね」
「そんな資格ないでしょ」
「そんなのお構いなしにね」
それで皆思わず眉を顰めさせたらしい。
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