八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる
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第三百五話 イルミネーションその四
「満足していたらね」
「リア充なのね」
「それで不平不満ばかりだと」
どんな立場でもだ。
「そうじゃないよ」
「リア充じゃないのね」
「そう思うよ、あとね」
「あと?」
「リア充爆発しろって言う人も」
丁度前にあるカラオケボックスから出て来た大学生と思われる数人の男の人達が千鳥足で上機嫌んでそんなことを言っている。
「そうした人もね」
「ああした感じだとね」
香織さんもその人達を見て言った。
「これといってね」
「そう思ってないよね」
「もう好きで言ってる感じね」
「実際にそうだろうね」
「不平不満はないのね」
「ある人はあんなに明るくないよ」
このことは言える。
「例え酔っていても」
「そうよね」
「それでね」
僕はさらに言った。
「不平不満ばかりだと顔に出て」
「ああ、それで人相がね」
「もう何が面白くないんだって」
「そんな人相になるわね」
「そうした人も見てきたよ」
残念なことにだ。
「もう家の中で好き勝手して家事もせずに家のお金で遊んで回ってって」
「そんな人見てきたの」
「お婆さんでね」
親戚の人全員から糞婆と呼ばれていた、これだけでどんな人かわかる。
「ヒス持ちで執念深くて自己中心的で」
「とんでもない人ね」
「自分以外のどんな生きものも嫌いで強欲でね」
「いいところないわね」
「なかったみたいだよ」
少なくとも僕は聞いていない。
「図々しくて無神経で人の気持ちがわからなくてね」
「何か人間としてね」
「思いきり間違った人で」
「好き勝手して遊んでばかりだったの」
「家事もしないでね、一応しても手抜きばかりで」
それで息子さんの担任の先生に息子さんは養子なんでそんなに何もしないのかと聞かれたというからかなりのものだ。
「ちょっとしたらしてやってるで」
「不足なのね」
「もうそんな人でね」
「そんな人だから満ち足りていてもなの」
「不平不満ばかりで」
それでだ。
「嫌な顔していたよ」
「人相悪かったの」
「険しい顔していたんだ」
「そうだったの」
「こんな人になったら」
それこそだ。
「自分も周りもね」
「不幸になるわね」
「そうなるよ」
絶対にだ。
「こんな人のことを思ったら」
「不平不満ばかりっていうのは」
「よくないって思ったよ」
最高の反面教師だった、このことについて。
「本当にね」
「その気持ちわかるわ」
「香織さんもだね」
「うん」
実際にという返事だった。
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