夢幻水滸伝
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第百八十八話 西岸に着いてその六
「大いに作るで、そしてジャガイモや玉蜀黍もな」
「作っていきますね」
「そして民達に食べてもらう」
「そうしてもらうのですね」
「そや、人は食べないきていけん」
この世界でもこのことは同じである、どの様な種族であっても人は食べなければ生きることは出来ないのだ。
「そやからな」
「穀物も作物もですね」
「作ってくで」
シェリルはエルフの部下に答えた。
「それで牧場で牛や羊や豚をな」
「飼育してですね」
「ミルクや皮や毛を手に入れて」
「お肉も」
「そうしていくで」
牧畜や酪業も行っていくというのだ。
「これまで以上にな」
「そうしていってより豊かになる」
「この世界のオーストラリアは私がおるオーストラリアよりもさらに豊かや」
そうした大陸だというのだ。
「それも遥かにな」
「だからですね」
今度はホビットの部下が応えた。
「内政に力を入れて」
「豊かになるんや」
「そうしていきますね」
「工業も興せるしな」
こちらもだというのだ。
「そちらはな」
「鉱産資源を使いますね」
「鉄も石油も石炭もあるからな」
この世界のオーストラリアにはというのだ。
「それも豊富に。そやからな」
「そうした鉱産資源も使い」
「工業も盛んにしてくで」
「そうしていってですね」
「こちらでも豊かになる、ただな」
ここでシェリルは難しい顔になった、そしてこんなことを言った。
「蛇と鮫は多いな、こっちの世界でも」
「それは仕方ないです」
蛙人の部下がシェリルのその憂いにこう述べた。
「この大陸は通称毒蛇の国で」
「海もやな」
「鮫の海です」
「そう言われてるか」
「川にもいますし」
鮫はというのだ。
「シェリル様のおられる世界はどうか知りませんが」
「この世界では淡水性の鮫もおるな」
「左様です」
「鯨もおるしな、まあイルカはこっちの世界でもおるわ」
淡水生の海豚はというのだ。
「アマゾンとかにな」
「海豚はですか」
「ちょっと海のイルカとちゃうけどな」
アマゾンカワイルカやガンジスカワイルカは目が弱いのだ、それで超音波を出してそれで周りを確認しているのだ。
「おるわ、それでその蛇と鮫がな」
「多いと言われるのですね」
「こっちの世界のオーストラリアでもな」
難しい顔のまま述べた。
「そや、しかもこっちの世界モンスターもおるし」
「オーストラリアはモンスターの数と種類は多い方です」
「そやな」
「アマゾンやサハラ砂漠はさらに多いそうですが」
「その二つの地域はかいな」
「あまりにも危険なモンスターが多いので」
それでというのだ。
「滅多に立ち入られないとか」
「そうなんか」
「この二つの地域は」
「そのこと覚えておくわ」
「オーストラリアも確かにモンスターが多いですが」
リザードマンの部下も言ってきた。
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