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八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる

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第三百四話 クリスマスケーキその一

                第三百四話  クリスマスケーキ
 ケーキは大きな生クリームと苺のケーキだ、お皿にはカスタードクリームで英語でメリークリスマスとある。
 その文字まで見て香織さんは笑顔で言った。
「こうして文字で書かれてると」
「もうクリスマスってだってだよね」
「思うわよね」
「うん、だからね」
 僕は香織さんに笑顔で話した。
「お店の方でも書いてくれたんだ」
「そうなの」
「最近はお店の方でね」
 サービスとしてだ。
「お誕生日とかクリスマスとかはね」
「こうして書いてくれるのね」
「お皿にね、お誕生日は自己申告だけれど」 
 お店の人もプライベートまで知っている筈がない。
「けれどクリスマスはね」
「皆わかってるからなのね」
「だからね」
 その為にだ。
「もうね」
「書いてくれるのね」
「この日にはね」
「そうなのね」
「それでね」
 僕は香織さんにさらにお話した。
「結婚した時とかもね」
「書いてくれるの」
「お店にお話したらね」
「そうしたサービスがあるのね」
「最近はそうなんだ」
「素敵な演出よね」
「うん、こうしたことをしてくれたら」
 僕は笑顔で話した。
「嬉しくなるよね」
「それでそのお店にまた来たくなるわね」
「誰がはじめたか知らないけれど」
 それでもだ。
「いい演出だよね」
「そうね、それで私これまでのお料理もお店の内装もよくて好きだったけれど」
「それにだね」
「この文字もよくて」
 それでというのだ。
「尚更ね」
「好きになったんだね」
「ええ」 
 笑顔での返事だった。
「そうしたことをしてくれたから」
「いいサービスだよね」
「洒落ていて心遣いも感じられて」
「些細なことかもしれないけれど」
「その些細なことがね」
「大きいよね」
「そうよね」
 ここで香織さんはこうも言った。
「サービスってそうよね」
「些細なことでもね」
「それが大きいのよね」
「そうだね」
「その些細なことが積み重なって」 
 そうしてだ。
「お店の評判にもなって」
「それで繁盛して」
「お店も続くんだ」
「そうよね」
「逆に不愛想でしかもお客さんを睨んできて文句も言う様なら」
「怖いわよね」
「そんなお店行きたくないから」
 自然とそう思うからだ。
「もうね」
「そうしたお客さんがいるお店は潰れるわね」
「どんなお店でもね」
 それこそだ。 
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