八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる
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第三百三話 嘘を吐かないものその十三
「卑しい人間が増えて卑しさもね」
「酷くなるのね」
「もうこれは思想の問題じゃないかもね」
それがマルクス主義でも保守でもだ。
「お金とか権力があってね」
「そこに人が集まると」
「もう油断したら」
それこそだ。
「腐った人が集まるんだよ」
「そういうことね」
「最悪変なカルト教団が入って」
そしてだ。
「もうね」
「そのカルト教団に乗っ取られるとかもなのね」
「あるんだろうね」
嫌なことにだ。
「そのケースもね」
「何か人間って同じこと繰り返すのね」
「それだね、思想に関係なくね」
マルクス主義でも保守でもだ、そしてどんな宗教でもだ。
「お金とか権力とかがあると」
「変な人も来るのね」
「そこは注意しないと駄目だね」
「さもないと戦後の日本の知識人みたいになるのね」
「そうだろうね、だからね」
「注意しないと駄目ね」
「うん、本当に今のテレビ酷いし」
それも何十年もの間だ。
「それで最近は保守派の人達もだから」
「よく見てチェックして」
「おかしいことはおかしいって言わないとね」
おかしな人もだ。
「本当におかしくなるよ」
「さもないと同じことの繰り返しね」
「そうなるね」
僕は香織さんに苦い顔で話した、そして。
二人共メインディッシュを食べ終えてだった、そのお皿が下げられたところで僕は香織さんにあらためて話した。
「それじゃあね」
「ええ、今度はね」
「デザートだよ」
「ケーキよね」
「もう一つのメインだよ」
クリスマスのそれだ。
「それが来るからね」
「だからよね」
「楽しみに待っていてね」
「わかったわ」
「やっぱりね」
何といってもだ。
「クリスマスは鶏肉か七面鳥にね」
「ケーキもね」
「この二つがないとね」
「今はクリスマスじゃないわね」
「もっと言えばツリーもだけれどね」
食べものじゃないけれどだ。
「こうしたものはね」
「全部必要ね」
「確かに終戦直後は何もなかったけれど」
クリスマスが日本に本格的に入った頃はだ。
「それでもね」
「今はよね」
「あるから」
あるならだ、ないなら仕方ないけれどだ。
「食べるべきだよ」
「そうなるわね」
「うん、だからね」
「これからはよね」
「ケーキを食べようね」
「ええ、それにケーキもね」
こちらもというのだ。
「ワインに合うし」
「そうなんだよね、ケーキってね」
「お酒に合うのよね」
「ワインとかにね」
ブランデーにも合う。
「洋酒はそうだね」
「そうよね」
「これが日本酒だとね」
「甘いものに合わないのよね」
「そうだけれど」
それがだ。
「ワインとかは違うから」
「このまま飲んでいいのよね」
「これもいいよ、じゃあね」
「ええ、これからもね」
「飲みましょう」
「それじゃあね」
二人でこう話してだった、僕達はケーキを待った。そしてそのケーキが来た。この日のもう一つのメインが。
第三百三話 完
2020・10・8
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