八条学園騒動記
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第六百話 やはりこれが一番その六
「酒のつまみによく合う」
「そうだな」
「あの硬さと味がな」
「両方いいな」
「酒に最適だ」
非常によく合うというのだ。
「俺もそう思う」
「ウイスキーにも合う」
「本当にな、それで今はか」
「ウイスキーを飲んでな」
ロックのそれをまた飲んで言った。
「そしてな」
「そのうえでか」
「ピーナッツを食う、ピーナッツを食って」
「また飲むな」
「ああ」
今度はピーナッツを組んで言った。
「こうしてな」
「そうだな、しかしな」
「しかし。どうした」
「何か急にな」
ダンは声のトーンをかなり落とした、それは意識してのことでなく自然とそうなってきたものである。そしてそのトーンで言うのだった。
「酔いが回ってきた」
「そうなってきたか」
「ああ、ここでな」
「それじゃあウイスキー飲めるか」
「ボトルの残りか」
「大丈夫か」
「いける」
そのボトルの残りを見るとコップ一杯分だ、その残りを見ての言葉だ。
「これ位ならな」
「じゃあ飲むか」
「このままな、そしてな」
「それでか」
「全部飲んでな」
そしてというのだ。
「歯を磨いて寝る、意識は残りそうだからな」
「酔って我を失わないか」
「そこまではまだ酔っていないしだ」
それにというのだ。
「残りを飲んでもな」
「意識は残るか」
「いける、これ位ならな」
「ならいいけれどな、というかな」
洪童は日本産のウイスキーを飲みながらダンに告げた。
「お前がお酒で我を失うことはないな」
「そういえばそうなった記憶はないな」
「記憶飛んでも後で言われるからな」
周りからというのだ。
「そのことが」
「言われたことはない」
「そうだよな」
「多分大酒飲んでもな」
自分の許容量を超える分をだ。
「それでも寝てて」
「そのまま寝てか」
「朝まで起きないからな」
「記憶も失っていないか」
「寝てそのまま朝まで起きなかったら」
「例え酔って我を失ってもな」
「もう同じだからな」
起きなければというのだ。
「だからな」
「問題なしだな」
「そうだな、じゃあ残りを飲んだら」
ダンはあらためて言った。
「もう歯を磨いて」
「すぐに寝るか」
「そうする」
実際にというのだ。
「それでだ」
「朝まで寝るか」
「そして二日酔いなら」
その時はというと。
「風呂に入ってな」
「すっきりしてか」
「また動く」
そうするというのだ。
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