| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

おぢばにおかえり

しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

第六十二話 二人乗りその二十

「すぐ慌てるしね」
「そうですか?」
「怠け者だし」
「そうは思えないですけれど」
「それに短気だし」
「ちょっと怒りっぽいところはありますね」
 最後のところは肯定してきました。
「確かに」
「そうした性格だから」
 それでというのです。
「私としてもね」
「癖性分はありますか」
「誰でもあってね」
「あの、先輩が怠け者とは」
 阿波野君は私のその癖性分について言ってきました。
「別に」
「思わないのね」
「何処がですか?」
 逆に、という言葉でした。
「先輩怠け者なんですか」
「自分で思うにはね」
「全然そうは思えないですが」
「そうなのね、阿波野君は」
「いつもいさんでますから」
「阿波野君にはそう見えても」
 実は、なのです。
「私は怠け者よ」
「そうですか」
「そしてお転婆なのよ」 
 このこともお話しました。
「実はね」
「女の人らしいですけれど」
「昔はそうだったのよ」
「本当にそうですか?」
「少なくとも私自身はそう思ってるわ」
「そうですか」
「ええ、あと昔はクラスの女の子では背が高い方だったの」
 私がこう言うとでした。
 阿波野君は笑って私にこう言いました。
「それは違いますね」
「そのことは否定するの」
「先輩の勘違いです」
 こんなことを言ってきました。 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

全て感想を見る:感想一覧