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夢幻水滸伝

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第百八十六話 発展その十三

「南洋も統一まで何かとあった」
「そやねんな」
「お互いに手を組んだり争ったり」
「群雄割拠やったんやな」
「そこでこの人がな」 
 シェリルはリーを見て話した。
「もう悪知恵の限りを尽くして」
「いや、それはちゃうやろ」
 リーは自分を見て言うシェリルに即座に言葉を返した。
「そう言うあんたがな」
「私がかいな」
「色々やってきたやろ」
「そやったか」
「もう何かと」
「そんなこと忘れたわ」
 シェリルは平然として返した。
「昔のことや」
「いきなり無数のドラゴン引き連れて攻撃してきたやろ」
「私はドラゴンマスターや」
 やはり平然として返す。
「戦の時はドラゴン達を使うのは当然や」
「全部の種類のドラゴンを一度にやな」
「そや、しかしあれで普通は瞬殺やが」 
 どの様な相手も瞬く間に倒せるというのだ。
「自分はちゃうかったな」
「すぐに十絶陣出してよかった」
「全く、勝ったら私が南洋の棟梁やったが」
「引き分けやったからな」
「二人で棟梁になった」
 シェリル一人でなくというのだ。
「そうなったわ」
「その話も聞きたいし他のモンからもな」
 中里はシェリルに再び言った。
「聞かせてもらうで」
「ほなな」
「勿論他の勢力のモンからもな、長い話になっても」
 それでもというのだ。
「それこそアラビアンナイトみたいにな」
「毎晩少しずつやね」
 綾乃はアラビアンナイトと聞いてこう中里に言った。
「聞いてくんやね」
「ああ、僕等毎晩飲んでるしな」
 朝早くから働き夜はそうしているのだ。
「そやからな」
「その時にやね」
「聞かせてもらうわ」
 それぞれの勢力の者達からというのだ。
「少しずつな、ほなな」
「これから毎晩やね」
「飲んで食べながらな」
 そうしつつというのだ。
「聞かせてもらうわ」
「うちもそうさせてもらうわ、しかしな」
「どないしたんや?」
「アラビアンナイトって結構お色気のお話もあるね」
「はじまりからな」
 二人の兄弟が王のそれぞれの王妃の不倫からはじまる、そして兄の王が夜な夜な夜の相手をさせた女を殺す様になるのだ。そこにシャハラザードが来るのだ。
「そうした漫画にもなりそうな」
「漫画なん」
「そうしたな、けど僕等にそうしたタイプおらんし」
「結構健全な高校生やしね、皆」
「欧州には一人とんでもないのがおるけど」
 それでもというのだ。
「それでも十星連合ではそうやしな」
「それでやね」
「健全な話になるで」
「そやね」
「そやから安心して聞こうな」
 こう話してだった、中里も他の面々もそれぞれの勢力の話を聞いていくことになった。それは長い話になったが今はじまった。


第百八十六話   完


                2020・11・15 
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