八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる
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第三百二話 エメラルドとルビーの街その八
「今はね」
「飲むことね」
「流石に記憶をなくしたら駄目だけれど」
「後で学園前の商店街に行くし」
「イルミネーションにもね」
そこにも行くつもりだからだ。
「それでね」
「読み潰れないことね」
「飲んでもね」
それでもだ。
「あくまで歩ける位でね」
「飲むことね」
「酔い潰れたら」
もうそれこそだ。
「そこで終わりだからね」
「後の予定が続かないわね」
「うん、本当に最低限ね」
「歩ける位ね」
「それ位で止めておこうね」
「このワイン飲みやすいから」
香織さんはフェットチーネを食べてからワインを飲んでまた言った。
「飲み過ぎそうね」
「だから注意しないとね」
「そうね、しかしイタリアのワインって飲みやすいのが多いのかしら」
「そうかもね、僕も全部飲んだ訳じゃないけれど」
僕も飲みつつ言う、気付けば二人共三杯目に入っている。ボトルの中のワインも結構以上に減っている。
「このワインを飲む限りね」
「飲みやすいのね」
「ワインの本場だしね」
フランスが有名だけれどイタリアはローマの頃からだ。
「だからね」
「飲みやすいのね」
「そうなんだ」
僕は言いつつさらに飲んだ。
「このワインは。じゃあパスタでも飲んで」
「前菜でもよね」
「前菜はよく魚介類が出るけれど」
「今回は違うのね」
「生ハムのお料理が出るからね」
「生ハムだったら」
それならとだ、香織さんは僕に言ってきた。
「赤のままでもね」
「いいよね」
「そうね、お肉だから」
「そのまま赤でいいよ」
「そうね、じゃあこのままね」
「ランブルスコ飲んでいこうね」
僕も言ってだった、そのボロネーゼのフェットチーネを食べた。そのフェットチーネも結構な量があった。
そして前菜も食べた、その前菜は。
フルーツを生ハムで包んだものにテリーヌもだった、そのテリーヌもだ。
結構な味で僕は言った。
「このテリーヌもね」
「いいわね」
「うん、テリーヌもいい食べものだよね」
「手軽に食べられるけれど」
「これがまた腕がいい人が作ってくれたら」
それならだ。
「美味しいんだよね」
「ええ、本当に」
「昔はテリーヌっていっても」
それこそだ。
「何それだったっていうけれど」
「高級フランス料理って感じ?」
「本当にそんな感じでね」
革命前の貴族や大金持ちが食べる様なだ。
「そうしたね」
「贅沢な食べものって思われていたのね」
「エスカルゴみたいに」
「ああ、あれね」
「エスカルゴも今は結構普通に食べるけれど」
日本でもそうなったと思う。
「昔は蝸牛だってね」
「思う人多かったわね」
「ある漫画のキャラクターなんか」
事象フランス帰りでシェーーーーッ、とやる歯が出ていて調子に乗って悪事を働くといつも報いを受けるキャラだ。
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