八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる
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第三百二話 エメラルドとルビーの街その七
「ワインもだよ」
「二人分よね」
「ディナーはね、けれどワインは」
「二人分どころじゃないのね」
「飲みたいよね」
「ええ」
香織さんは僕に微笑んで答えてくれた。
「お昼スパゲティ食べてる時に飲みたかったし」
「ワインはスパゲティにも合うしね」
「だからだね」
「かなり飲みたかったわ」
「僕もだよ、じゃあ」
「ワインは」
「ボトル一本ずつ注文して」
そうしてだ。
「それを飲んだらね」
「また一本よね」
「そうして飲んでいこうね」
「それじゃあね」
「ちなみにイタリアのワインだよ」
僕は香織サンニソノワインのことも話した。
「ランブルスコだよ」
「ああ、義和が好きな」
「このワインだよ、赤だけじゃなくてロゼも白もあるけれど」
「今回は赤ね」
「お肉にワインだから」
それでだ。
「赤でね、どっちも頼めるけれどね」
「ううん、やっぱりお肉やケーキだとね」
「赤よね」
「だからね」
それでというのだ。
「どのワインも注文出来ても」
「実質赤一択ね」
「クリスマスに白はね」
「普通はないわね」
「だからね」
まさにそれが理由でだ。
「赤を飲もうね」
「他はないわね」
「そういうことで」
「今からね」
「行こうね、そのお店に」
香織さんに笑顔で話してだった。
僕は香織さんをそのお店に案内した、クリスマスの中で赤と緑に輝いてクリスマスソングが鳴り響き笑顔の人々が行き交う商店街の中を。
お店に入るとこのお店もクリスマス様式だった、そして。
讃美歌が聴こえていた、その中でウェイターの人が僕達の前に来てくれた。
「八条様ですね」
「はい、今日は宜しくお願いします」
「それでは今から席に案内させて頂きます」
ウェイターの人が言ってくれてだ。
僕達は二人用の席に向かい合って座ってだった。
まずはサラダを食べた、その後で。
スープでなくてパスタが来た、そのパスタはフェットチーネだった。ソースはボロネーゼだった。僕はそのフェットチーネを食べて。
そしてだ、向かい合って座っている香織さんに言った。
「フェットチーネいいね」
「そうね、ここでやっとね」
香織さんはワインを飲んで僕に微笑みを向けてきた。
「ワインが飲めるわね」
「ずっと飲みたかったんだね」
「ええ、」
その気持ちを隠さなかった。
「本当のお昼からね」
「だからだね」
「ワインが余計に美味しく感じられるわ、それに」
「それに?」
「義和が好きなだけあって」
ランブルスコワイン、発泡性のかなり甘いワインを飲みつつ僕に言ってきた。
「美味しいわね」
「そのワインはかなり飲みやすいんだよね」
「味的にね」
「泡が好きなら特にね」
僕も結構好きだ。
「そのワインはいけるよ」
「そうよね」
「だからね」
僕もワインを飲みつつ話した。
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