恋姫伝説 MARK OF THE FLOWERS
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第九十四話 司馬尉、妹達を呼ぶのことその三
「今のところはね」
「ではあれじゃな」
袁術も孫策と同じくはっきりとしない顔になっている。そのうえでの言葉だ。
「曹仁達にはこのまま」
「様子見を伝えるわ」
曹操もそうするというのだ。
「もっとも。向こうもね」
「あの娘達には一切関わらせないようにしますわね」
袁紹は不機嫌そのものの顔で話した。
「司馬家の面々だけで仕切りますわね」
「なら尚更見させてもらいましょう」
孫策も言う。
「どういったことをするのかをね」
「それにしても。司馬尉ちゃんって」
劉備も首を捻っている。
「ここまで謎が多いなんて」
「謎が謎を呼んでおるのじゃ」
袁術はこうまで言う。
「そして謎だらけになっておるのじゃ」
「ただいけ好かないとだけ思っていたけれど」
「得体の知れないものも感じてきましたわ」
曹操と袁紹は彼女への嫌悪をここでも話す。
「どうやら司馬家についても」
「今度さらに調べる必要がありますわね」
「そうね。それでだけれど」
孫策はここで話を変えてきた。それは。
「劉備にお話したいことがあるのよ」
「私に?」
「そう。今益州が空いてるけれど」
具体的には牧がいない。そういうことだ。
「どうかしら。その牧にね」
「私がなのね」
「丁度あそこには定軍山もあるし」
そのだ。華陀達が言っているそこだった。
「民も多いし治めないといけない場所よ」
「そういえば益州って」
ここでだ。劉備はその益州について話すのだった。
「南蛮と」
「ええ、境を接していたわね」
曹操がそのことを話す。
「貴女その南蛮に行ったことあったわよね」
「それで猛獲ちゃん達と知り合ったのよ」
そうだったというのだ。劉備の数多い出会いの一つだ。
「あそこは凄く暑くて」
「それにね」
曹操は考える顔でさらに話す。
「やっぱり定軍山があるし」
「だから余計になのね」
「ええ。最初から話に出すつもりだったけれど」
「私が益州に」
「そうして。貴女が牧に入って」
「うん、じゃあ」
「徐州に加えて益州ね」
その二つの州をだ。劉備が治めることになったというのだ。
その中でだ。さらにだった。
「あと擁州だけれど」
「あそこはどうしますの?」
袁紹が曹操に尋ねる。
「今はわたくしの軍が占拠していますけれど」
「けれど貴女五つの州を治めているわよね」
「正直。今は」
「その五つの州で手が一杯ね」
「その通りですわ」
袁紹の事情はそうだった。彼女も今治めている州のことで必死なのだ。
それでだった。袁紹は言った。
「ですから擁州は」
「そうよね。じゃあ誰が治めるべきかしら」
「同じ董家の者でいいではないか」
ここでこう言ったのは袁術だった。
「そうではないか?」
「あの家の娘になのね」
「そうじゃ。あの董白がいるぞ」
袁術は孫策にも自分の考えを話す。
「あの娘に任せればいいではないか」
「そうね。董卓はいないことになってるけれど」
この辺りは公然の秘密だった。董卓は死んだことになっているのだ。
しかし董白はいる。それならばだった。
「あの娘がいるなら」
「任せればよいではないか」
「そうね。それじゃあ」
「うむ、決まりじゃな」
こうしてだった。擁州の牧は董白がすることになった。そうなったのだ。
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