恋姫伝説 MARK OF THE FLOWERS
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第九十四話 司馬尉、妹達を呼ぶのことその二
「私あの娘のことはよく知らないのよ」
「というか全てが謎に包まれているのよ」
「何もかもがですわ」
「このことはね」
また言う曹操だった。
「とにかく劉備にもね」
「そうですわ。その為に来たのですから」
「是非共ね」
話をしようというのだ。こうして三人で劉備の場所に向かおうとすると。
そこには。今度は。
袁術がだ。慌しく駆けて来てだ。三人に言うのだ。
「大変じゃぞ!」
「ええ、司馬尉よね」
「そうなのじゃ。何と妹がいたのじゃ」
こうだ。曹操に対しても応える。
「どういうことじゃ。こんなことは初耳じゃぞ」
「だからでしてよ」
袁紹は顔を顰めさせて彼女に返す。
「これから劉備さんにそのことをお話しに行きますのよ」
「同じくね。私もよ」
孫策もここでこう言う。
「そのことで劉備のところに行くのよ」
「左様か。主等もか」
「考えることは同じね」
曹操はまた言った。
「訳がわからないにも程があるわ」
「ううむ、司馬尉と言う者」
どうなのかとだ。袁術は首を捻りながら話す。
「わからん。何だというのじゃ」
「同感よ。まあとにかくね」
その袁術に言う孫策だった。
「今は行きましょう」
「そうじゃな。劉備のところにな」
こうしてだ。袁術も入れて四人になった一行は宮殿の劉備の前に来た。彼女は丁度孔明達と話しているところだった。そこに来たのだ。
四人の姿を見てだ。劉備はすぐにこう言った。
「あのことよね」
「ええ、そうよ」
その通りだとだ。曹操が返す。
「やっぱり聞いてたのね」
「うん。信じられないけれど」
「信じられないけれど事実よ」
曹操もだ。半信半疑といった顔だった。
「あの娘には妹がいたわ」
「しかも二人よね」
「名前は司馬師に司馬昭というわ」
孫策は二人の名前を話した。
「本当にはじめて聞く名前だけれどね」
「そしてその二人が」
今度は袁紹が劉備に話す。
「司馬尉の補佐に就きますわ」
「あっという間にここまで決まったのじゃ」
袁術も劉備に話す。
「こんなことは有り得ないのじゃ」
「はい、私達にとってもです」
「寝耳に水でした」
孔明と鳳統もだった。その顔にある驚愕は消せなかった。
「まさか。司馬尉さんに妹さん達がおられるなんて」
「しかももうあちらに向かっておられます」
「私も。朱里ちゃん達からお話を聞いて」
どうかとだ。劉備も言う。
「びっくりしているところだったの」
「それで何者なのじゃ」
袁術は単刀直入に述べた。
「その司馬師に司馬昭という者は」
「今わかっているのは名前だけです」
「その他のことは」
孔明と鳳統が袁術に話す。
「全くわかりません」
「何一つとして」
「謎に包まれているのよ」
劉備も弱った顔になっている。
「あの娘達が何者なのか」
「そうね。まさかここで出て来るなんて」
「考えもしませんでしたわ」
「けれど」
それでもだと。ここで言う劉備だった。
「あの娘達は」
「ええ。よからぬものはあるわね」
曹操は顔を顰めさせて言った。
「あの娘達には」
「ではやはり今は」
どうするのか。袁紹が話す。
「様子見ですわね」
「結局それしかないみたいね」
孫策は彼女にしては珍しくはっきりしない顔で述べた。
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