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恋姫伝説 MARK OF THE FLOWERS

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第九十四話 司馬尉、妹達を呼ぶのことその一

                          第九十四話  司馬尉、妹達を呼ぶのこと
 曹仁達から司馬尉の妹達の報を受けてだ。
 曹操は目を大きく見開いてだ。己の席から立って言うのだった。
「妹ですって!?」
「はい、そうです」
「その報が来ています」
 韓浩と徐晃がそうだと述べる。
「何でも司馬師殿と司馬昭殿というそうです」
「その御二人が」
「馬鹿な、聞いてないわ」
 曹操もだった。このことは。
「そんな話は」
「はい、それでなのです」
「夏瞬殿や冬瞬殿達も驚きを隠せないようです」
「あの娘に妹がいるなんて」
 曹操は己の席から立ったままだ。また言うのだった。
「そんなことが」
「あの、それでなのですが」
「どうされますか?」
 韓浩と徐晃は曹操にあらためて尋ねた。
「ここはです」
「一体」
「夏瞬達に伝えて」
 決断は早い。驚いていてもこのことは顕在だった。
「今は様子を見なさい」
「動いてはならない」
「そういうことですね」
「ええ、下手に動いたらしくじるわ」
 それを危惧しての言葉だった。
「だからここはね」
「わかりました。それでは」
「そうお伝えします」
「それとね」
 それに加えてだとだ。曹操は言った。
「すぐに劉備の所に行くわ」
「このことをですね」
「お話されますね」
「ええ。丁度あの娘の所に行くつもりだったけれど」
 そのだ。劉備の所にだというのだ。
「益州のことでね」
「あの州の牧にですね」
「劉備殿を推挙されるおつもりだったのですね」
「ええ、そのことを話すつもりだったけれど」
 理由はだ。さらに増えたというのだ。
「今はそれ以上にね」
「そうですね。今は本当に」
「そのことをお話しないと」
「一体どういう家だというの!?」
 曹操もだ。司馬家についてはこう言うしかなかった。
「妹達の存在が今までわからなかったなんて」
「そうですね。こんなことがあるのですか」
「信じられません」
「全くよ。有り得ないことだわ」
 しかし現実だった。それでなのだった。
 曹操はすぐに劉備のいる摂政の宮殿に入った。宮殿といっても小ぶりで大人しい造りなのは劉備の好みが出ているせいだろうか。
 その彼女のところに向かうとだ。 
 入り口でだ。袁紹に孫策と鉢合わせしたのだった。彼女達は曹操の顔を見るとすぐにだ。驚きを隠せない顔でこう言うのだ。
「あの娘に妹がいたですって!?」
「それも二人も」
「そんな話聞いていませんわよ」
「どういうことなの!?」
「貴女達もなのね」
 曹操は二人のその言葉も聞いて言うのだった。
「あの娘達のことは」
「ええ、辛姉妹から聞きましたわ」
「私は二張から」
 それぞれの内政の懐刀からだというのだ。彼女達はそれぞれの情報収集も受け持っているのだ。だからこそ知っているのだ。
「今あちらの陣では大騒ぎだとか」
「司馬尉直率の軍以外ではそうらしいわね」
「何処までも謎ね」
「司馬尉、実はね」
 孫策は眉を顰めさせながら話す。
 
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