| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

夢幻水滸伝

しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

第百八十五話 内閣その七

「それで農業は作物に絞ってみました」
「そやねんね」
「連合の領地や人口、作物の種類も量も多いので」
「農業だけにしたんやね」
「そうです、この事情は家畜や木、水産物も同じなので」
「それぞれ分けて」
「働いてもらうことにしました」
 こう綾乃に話した。
「私としては」
「そうやねんね」
「はい、それでその農業大臣は」
 その役職の人物はというと。
「志賀君です」
「僕ですね」
「それぞれの地域に相応しい作物をお願いします」
「それをですね」
「最新の技術を採り入れつつです」
「そうして」
「治水や灌漑はまた別の省の管轄になりますが」
 それでもというのだ。
「力を合わせて」
「そうしてですね」
「お願いします、農業生産は」
 これはというのだ。
「何といってもです」
「国の基礎ですね」
「基礎も基礎です」
「人はものを食べないと生きられません」
「ですからまずはです」 
 何といってもというのだ。
「農業そしてです」
「作物の生産ですね」
「その地域にあった作物を多く栽培し」
「土地の疲れにも気をつけて」
「そうです、出来ればお米を」
 この穀物をというのだ。
「多く栽培して欲しいです」
「お米は収穫高が高いですね」
「多くのお水が必要ですが」
「あの収穫高を考えると」
「麦よりもです」
 それ以上にというのだ。
「お米です、そしてお芋もです」
「ジャガイモ、サツマイモですね」
「どちらも痩せた土地でも多く採れます」
「まことにそうですね」
「ですからこうしたものをです」
「多くですね」
「栽培して下さい、勿論砂糖も」
 こちらもというのだ。
「欲しいので」
「甘いものもですね」
「人は甘いものの魅力には中々です」
「勝てないですね」
「楽しみにもなるので」
 それ故にというのだ。
「ですから」
「お砂糖もですね」
「サトウキビやてんさいを植えましょう、しかし間違ってもです」
「奴隷を使う様なことはしない」
「十星連合は階級を否定しています」
 このことはそれぞれの勢力であった頃からだ、どの勢力も政策として奴隷は禁じ階級も否定していたのだ。
「ですから」
「苦役は禁じる」
「農業においても」
「そうしますね」
「凶悪犯は構いませんが」
 この者達はというのだ。
「幾ら酷使しても」
「それだけの罪を犯したので」
「法でも定めています」
「凶悪犯は苦役に使う」
「危険な作業に投入していきます」
 太宰はこのことを志賀に平然と語り誰もそれを当然と思っていて表情を変えない。 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

全て感想を見る:感想一覧