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八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる

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第三百一話 昔ながらのゲームその十五

「それこそショバ代とかね」
「上納金ね」
「そういうのを出させない様にして」
 そうしてだ。
「そうしたプロレスとか野球とかね」
「芸能界とかからもなの」
「追い出してね」
 今では芸能人がそうした人と付き合いがあるだけで問題になる、とはいってもあるテレビの司会者はそうした人に助けてもらうこともあると言っていたからこの人は関係があるのだろう。
「ヤクザ屋さんの力弱めていったんだ」
「戦後はそうしていったのね」
「昔は人材派遣もしていたけれど」
 今で言うそれもだ。
「あの幡随院長兵衛さんもそうだったし」
「そちらの人だったのね」
「あれもヤクザ屋さんの仕事だったんだ」
「そういえば港も」
「船員とか作業員の斡旋があったからね」
 その為にだったのだ。
「神戸も呉もね」
「ヤクザ屋さんいたのね」
「山口組も元々そこから出たし」
「それも今じゃ表よね」
「うん、あらゆることに裏社会が関わっていたけれど」
 昔は本当にそうだった。
「今だとね」
「そうなっていて」
「平和になっているんだ」
「そういうことね」
「主戦直後はバラックで何もなくて」
 あの高倉健さんが出ていた映画でもそうだった。
「そこからクリスマスがはじまってね」
「今じゃこうなったのね」
「ヤクザ屋さんも減ってね」
 そのうえでだ。
「今じゃサンタさんもツリーもイルミネーションもあって」
「美味しいものを飲んで食べられる」
「そうしたクリスマスになったんだよ」
「それだけよくなったのね」
「うん、じゃあね」
「これからね」
「あらためてそのクリスマス楽しみに行こう」
「わかったわ」
 香織さんは僕の言葉に笑顔で頷いてくれた、そうしてだった。
 二人で次の場所に向かった、ゲームセンターではまだ楽しんでいる人達がいた。それぞれの楽しみ方をしている人達が。


第三百一話   完


                 2020・9・23 
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