夢幻水滸伝
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第百八十四話 統治システムその十六
「大々的にです」
「発行してもらうんやね」
「そうしてもらいます、ただ新聞は」
「嘘書く新聞もあるね」
「これはあまりすべきでないですが」
太宰はこう前置きして綾乃に話した。
「あまりにも悪質な新聞は」
「発行禁止にもやね」
「します、悪質な捏造記事ばかりの新聞は」
「それで他の人とか貶めたりとかは」
「言論の自由ではなく」
守らなくてはいけないそれではなく、というのだ。
「イエローペーパーです」
「それやね」
「言論の自由とイエローペーパーは違います」
太宰はこのことを言うのだった。
「ですから」
「イエローペーパーは嘘とかやね」
「悪質な煽動を行うので」
「国を乱すさかい」
「そうです、偏見や憎悪を煽動し」
そしてというのだ。
「戦にもです」
「国や人を追い込むんやね」
「そうです、しかも責任を取らない」
「自分達は安全な場所にいて」
「言論や表現の自由を盾にしますので」
「あまりにも悪質で危険やさかい」
「何があってもです」
そうした新聞もっと言えばマスメディアはというのだ。
「国民がわかって読まなければ最善ですが」
「それ以上に煽られるさかい」
「人は過激で煽情的な記事に乗せられてしまいます」
「そうした面は確かにあるね」
「ですから」
それでというのだ。
「国民が買わなくなる前に」
「発行禁止にするんやね」
「さもないとまことにです」
「大変なことになるね」
「日本のマスコミを見ますと」
これは所謂タブロイド紙だけではない、大手のクオリティペーパーも煽ってくるのが日本のマスコミの呆れたところだ。
「まさにです」
「国を誤るさかい」
「新聞記者は信頼されやすい職業の一つです」
「社会の木鐸として」
「ですが悪質な行為も人の習性の一つであり」
「マスコミも当然してくるさかい」
「そこは注意してです」
そうしてというのだ。
「あまりにも悪質な新聞社は」
「発行禁止やね」
「そうしていきます」
こう言うのだった。
「政府としては」
「厳しいことやね」
「これも国そして世界の為です、ただあくまで」
「発行禁止は最後の手段やね」
「左様です」
太宰は綾乃にこう話した、そして国のことをさらに話していった。これから動いていく自分達の国のことを。
第百八十四話 完
2020・11・1
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