八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる
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第三百話 日本とクリスマスその七
「わかっていたけれど」
「そうね、確かにね」
香織さんもそのイカ墨のスパゲティを食べつつ僕に応えた。
「美味しいわ」
「それで次はカルボナーラだけれど」
「そちらも期待出来るわね」
「うん、ただね」
「ただ?」
「黒と白で」
僕は笑って話した。
「コントラストだね」
「配色がね」
「クリスマスは赤と緑だけれど」
「黒と白じゃなくても」
「この配色もいいよね」
「そうよね」
「それでね」
僕はさらに話した。
「お昼はこの配色も楽しんで」
「それでよね」
「これからもね」
「楽しんでいくのね」
「そうしようね、イルミネーションも楽しんで」
「光もね」
「こっちは色々な色があるよ」
それこそステンドガラスの様にだ。
「それでね」
「そっちもいいわね」
「うん、そしてね」
僕はさらに話した。
「ディナーもあるしね」
「いいわね、ただね」
「ただ?」
「今日は晴れてるから」
香織さんはお天気の話もしてきた。
「だからね」
「ああ、雪はだね」
「クリスマスはやっぱり雪だけれど」
「それは期待出来ないね」
「そこまでは贅沢ね」
「神戸は寒いけれど」
前は海ですぐに後ろに山がある、所謂六甲おろしのせいで冬は冷えて仕方がない。その分夏は涼しいにしても。
「雪はね」
「やっぱりそうそうはね」
「降らないからね」
「そこは仕方ないわね」
「残念だけれどね」
僕にしてもだ。
「お天気のことはどうしようもないよ」
「人ではね」
「今の技術ではね」
どうしてもだ。
「まだね」
「そこまでいかないわね」
「だからね」
将来はわからなくてもだ。
「それはどうしようもないよ」
「神戸の冬の寒さとね」
「雪はね」
「そういうことね」
「僕も降って欲しいけれど」
それでもだ。
「願う位しか出来兄よ」
「そういうことね」
「それでお天気はいいから」
この場合不都合なことにだ。
「だからね」
「雪は期待出来ないわね」
「そうだよ」
「仕方ないわね、まあそれはそれでね」
香織さんは今はカルボナーラを食べつつ僕に話した。
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