八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる
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第三百話 日本とクリスマスその一
第三百話 日本とクリスマス
僕達は百貨店に入った、百貨店の中は植物園以上にクリスマス一色だった。サンタさんもツリーもトナカイも全部ある。
そしてクリスマスソングも聞こえる、その中で。
香織さんは僕にこう言った。
「百貨店も最近は」
「結構苦しいからね」
「そうよね」
「地方の百貨店がね」
それがだ。
「結構ね」
「閉店していってるわね」
「そうなっているからね」
「本当に辛いのね」
「大阪もね」
ここでは大阪府のことだ。
「八尾市とかね」
「ああ、河内の方ね」
「結構人多いのに」
それでもだ。
「近鉄の八尾駅の前の西部百貨店がね」
「閉店したの」
「建物は使われているけれど」
後に色々なお店が入ってだ。
「そうなっているけれど」
「それでもなのね」
「百貨店がなくなったし」
「そうよね」
「何でも千葉県や神奈川県でも」
関東でもだ。
「柏市とか横須賀市でね」
「どっちも大きいわよね」
「何十万もいるよ」
それぞれの市の人口だけでだ。
「駅前なんか凄いよ」
「それで駅前によね」
「百貨店があったけれど」
それでもだ。
「その百貨店がね」
「閉店していってるのね」
「そうなんだ、横須賀は商店街の有名なレコード店も閉店したから」
七十年以上続いていたのにだ。
「結構ね」
「百貨店も辛いのね」
「そうなんだ、親父が子供の頃なんかは」
まだ二十世紀だった頃はだ。
「こうなるとかね」
「思わなかったのね」
「そう言ってたよ、大きな街の中心の駅前にあったら」
百貨店がだ。
「もうそれだけでね」
「人が沢山来たのよね」
「そうなったらしいから」
「そうなの」
「それがね」
「今は閉店していってるのね」
「そうした百貨店が出て来ているんだ」
「辛い状況ね」
「遂に新宿でもね」
あんな世界一人が集まりそうな場所でもだ。
「辛いってね」
「言われているのね」
「そうみたいだから」
それでだ。
「油断出来ないけれどね」
「じゃあ八条百貨店も」
「必死に努力しているみたいだよ」
そんなことを百貨店の経営に携わっている一族の人達が言っていた、全国の八条百貨店を維持するためにあれこれ努力をしていると。
「ここは本店だけれど」
「八条百貨店の」
「全国のね」
「そうなのね」
「その百貨店もね」
「必死なのね」
「そうみたいだよ」
そのお話がかなり本気だった。
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