八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる
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第二百九十九話 植物園に行ってその十二
「山菜とか山葵とか」
「色々あるわね」
「ミートソースも」
これも実はだ。
「かなり日本独自になってるしね」
「ボロネーゼとはね」
「また違ってるよね」
「そうよね」
「魔改造というか」
不意にこの言葉も浮かんだ。
「物凄い独自の変化がね」
「あるわね」
「香織さんもそう思うよね」
「それはね、納豆スパとか」
香織さんはこのスパゲティを出してきた。
「普通はね」
「考えつかないよね」
「そう思うから」
「まさに魔改造だね」
「そうでしょ、納豆スパって」
「うん、カレースパもね」
思えばこれもだ。
「凄いけれど」
「納豆はね」
「普通考えつかないよ」
「日本ならではよね」
「そもそも納豆が日本のものだし」
「それをスパゲティと組み合わせるとか」
そうした発想はだ。
「凄いわよね」
「物凄く独創的だよ」
「しかもね」
さらにというのだ。
「美味しいしね」
「だから定着してるね」
「ええ、私結構好きなのよ」
「そうなんだ」
「あれこそ魔改造よ」
文字通りにというのだ。
「本当に」
「言えてるね」
僕も否定出来なかった。
「納豆とスパゲティの組み合わせなんて」
「とてもね」
「それをやって」
そしてだ。
「美味しくて定着させられたから」
「凄いわね」
「そうだね、じゃああちらでは和風パスタもね」
こちらもだ。
「食べていいかな」
「イカ墨とカルボナーラも食べるのに?」
「まあ余裕があったら」
それならだ。
「食べようかな」
「そうするのね」
「うん、じゃあそろそろね」
「植物園から」
「百貨店に行こうね」
「それじゃあね」
香織さんは僕に応えてくれた、そうしてだった。
僕達は今度は百貨店に向かった、その途中もクリスマス一色だった。緑と赤そしてクリスマスソングが僕達を包んでいた。
第二百九十九話 完
2020・9・8
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