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八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる

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第二百九十九話 植物園に行ってその二

「モミの木とかはね」
「ないわね」
「そう、だからね」
 それでだ。
「何故ツリーがあるか」
「そのことを考えたら」
「それはね」
「モミの木って北欧ね」
 何といってもだ。
「やっぱり」
「ユグドラシルはトネリコだけれどね」
「それでもよね」
「北欧だから」
 その為にだ。
「そこはね」
「ユグドラシルなのね」
「そうみたいだよ、その実はね」
 それはだ。
「キリスト教の中にね」
「北欧神話が入ったのね」
「そうなんだ、というかどう考えてもクリスマスツリーはね」
「キリスト教にはないわね」
 香織さんも言った。
「やっぱり」
「聖書に出ていないし」
 クリスマスツリーなんてものはだ。
「一切ね」
「そうよね」
「本当に砂漠の宗教だからね」
 キリスト教はだ。
「少なくとも最初は」
「中近東でね」
「ユダヤ教もそうだし」
 キリスト教の源流と言っていいこの宗教もだ、ユダヤ教が旧約聖書でありキリスト教が新約聖書である。
「砂漠にモミの木とかね」
「考えてみたらないし」
「あれはユグドラシルでね」
「今は植物園全体がなのね」
「ユグドラシルになってるんだ」
「そういうことね」
「ユグドラシルは世界だから」
 世界を司る木だからだ。
「これもありだね」
「そういうことね、色々な植物があってもなの」
「モミの木だけでなくてね」
 勿論モミの木もある。
「この場所全体がツリーになっているんだ」
「クリスマスは」
「閉館してから園の人全員で後片付けするらしいけれど」
 学園の人も手空きの人が助っ人に来てだ、やっぱり人手があると有り難いということがこのことでもわかる。
「それでもね」
「今日はなのね」
「植物園全体がクリスマスツリーなんだ」
「そういうことね。それじゃあね」
「それじゃあ?」
「クリスマスだから」
 それでというのだ。
「ここの喫茶店で飲むのはね」
「ワインじゃないよね」
 僕は香織さんに冗談めかして尋ねた。
「それは」
「流石にまだね」
「夜じゃないからね」
「幾らクリスマスでも午前中から飲むのは」
 このことはというのだ。
「どうかって思うし」
「そうだよね」
「イタリアとかじゃ朝から飲むっていうけれど」
「ドイツでもね」
 この国では朝食欲がないとビールに生卵を入れて飲む、痛風になりそうだがエネルギー補給には適している。ビールは飲むパンだからだ。
「そうしてるね」
「けれど日本だから」
「朝から飲むのはだね」
「どうかって思うから」
 それでというのだ。 
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